姫路で相続のご相談なら秋山税理士事務所へ(相続専門)

相続・贈与税の時効期間って何年?滅多に成立しないって本当?

 
この記事を書いている人 - WRITER -
秋山 清成
相続のご相談なら、秋山税理士事務所へ。国税局・税務署で40年以上相続を取り扱ってきた税理士が、相続対策や節税方法、相続税申告、贈与税についてのご相談など親切丁寧にサポートいたします。SRS(相続リモートサービス)にて全国のお客様に対応しております。どうぞお気軽にご相談ください。

 

相続が発生し多額の遺産を相続した際には相続税が掛かり、

相続税の『申告』や『納税』を、相続発生後10か月以内に行う必要があります。

 

ですが!

現在の日本においては、相続税の『申告・納税』義務がある人であったとしても、

ある条件に該当する人の場合、実は相続税の『申告』も『納税』も行う必要が無くなるのです。

 

そのある条件とは・・・、

 

ずばり、〝相続税の時効です!〟

 

相続税に時効なんてあるの?と思われる方も多いと思われますが、実は相続税には時効が定められており、

【相続税の時効期間は】

➡原則5年

➡悪質な場合には7年

と決まっているのです!

 

そして勿論、税務署から相続税の請求がされないまま相続税を支払わず、上記の時効期限を1日でも過ぎれば

相続税の『申告・納税』義務は消滅し、更にあとから税務署に無申告が発覚したとしても、

〝いまから相続税を支払って下さい〟という請求をされることもありません。

 

今回の記事ではそんな、

➡相続や贈与が成立する時効期間成立要件と、

➡時効の成立を迎えることは現実的なのかという問題について

分かり易く解説をしていきたいと思います!

相続・贈与税の時効期間って何年なの?

先生!

相続税には時効があって、時効を過ぎれば相続税の支払い自体が無くなると聞いたんですが・・・、

これって本当ですか?

 

はい、一成さん

一成さんが仰る通り、相続税には時効が存在します。

➡相続税の時効は『原則で5年』と決まっており、

➡意図的な財産隠し等の悪意がある場合には、時効は『7年』となります。

➡税務署から相続税の請求がされないままこの期間を過ぎれば、

 

相続税を『納税』する義務は無くなります。

 

同様に贈与税にも時効期間はあり

➡贈与税の時効は『原則で6年』、

➡意図的に贈与税を申告しなかった等の悪意がある場合には、時効は『7年』となります。

➡贈与税の場合も、税務署から相続税の請求がされないままこの時効期間を過ぎれば、

 

贈与税を『納税』する義務は無くなります。

 

じゃあ先生!

もしも我が家の場合、親父から受け取った遺産に相続税が掛かったとしても、

➡時効期間まで申告をせず、

➡時効期間まで税務署からの相続税の請求も来なければ、

相続税は〝1円も払わなくてもいい〟ということですか!!

 

理論的にはその通りです。

ですがまぁ・・・、残念ながらそのようなケースは殆どありませんね。

 

ほとんど無い・・・。

 

そうなんです。

実際には、本来納税義務がある人が無申告のままで相続税・贈与税の時効を迎えるには、大小多くのハードルが存在する為、

無申告の状態で時効を迎えるというケースの方が稀なんです。

 

なるほど・・・。

ちなみにその相続税や贈与税の時効を迎えるための『ハードル』って具体的にどんなものがあるんですか?

 

そうですね。

それについてはここから先の、『相続や贈与の時効成立は何故難しいのか?』について、詳しく解説していきたいと思います!

 

 

相続・贈与税の時効を成立させるのは、実はとても難しい!

まずは先程のおさらいですが、相続税と贈与税の時効期間は以下になります。

 

【相続税の時効】
5年(原則:相続税の申告期限から5年)
7年(意図的な無申告や財産隠しなど悪質な場合)

【贈与税の時効】
6年(原則:贈与した年の翌年の3月15日から6年)
7年(意図的な無申告や財産隠しなど悪質な場合)

 

ちなみにこの『相続税の5年・贈与税の6年』という期間で時効が成立する為には、財産を相続した人は善意の相続人でなければなりません!

 

じゃあ僕は全く税金について無知ですから善意の相続人ですね!

相続税って、いくら財産を相続したら課税されるのか自体うろ覚えですし、

どれだけ沢山財産を相続しても、僕はそれに相続税が掛かるのかどうか把握出来ていない訳ですから!

相続税を申告しなくても悪意はありません!

 

いえいえ、一成さん。

善意の相続人というのは、ただ単純に相続税に対して疎い人のことを言うのでは無いんです!

 

 

ですので、上記の画像のように

調べれば直ぐに発見できる預金などの財産や

専門家に評価を依頼すれば直ぐに分かる土地の価格等を

一切自分で知ろうともせずに、只々、

 

〝相続するほど我が家に財産があるなんて分からなかった〟

なんて言っても、それは善意の相続人とは認めて貰えません。

 

 

なるほど・・・。

でも時効期間が5年であっても7年であっても、その期間税務署から相続税の請求がされなければ、

若しくは悪意を持って隠し通すことが出来れば、時効は成立するんですよね?

 

その通りです、

ただし相続や贈与の場合、この時効を成立させることはとても難しいんです!

 

税務署はお金持ちの存在を常に捕捉している

まずそもそもとして税務署や国税局は、『重点的に財産内容や収入等を管理すべき富裕層』

〝重点管理富裕層〟として把握しています。

 

ですので、家族に対して多額の財産を残せるような人に関しては、

相続が発生した段階において既に』税務署側にガッチリと捕捉されているのです!

 

まずこの時点で、多くの相続税申告対象の遺族に対しては「相続税についてのお尋ね」という通知書が自宅に届くことになり、

相続した財産に対する相続税を無申告のまま通せる可能性はカナリ低くなります。

 

 

不動産の名義変更は税務署に把握される

また税務署には日々、法務局から不動産の登記資料が届くようになっており、

☑『AがBに不動産を売った、買った』

☑『Cが何千万の不動産の登記を行った』

という様な情報は逐一把握されています。

 

なのでそこから、

『何故この人は、この収入額でこれだけ高額な不動産を購入出来ているんだろう?』という様な疑問に繋がり、

結果、相続した財産を申告していなかったという事実がバレるのです。

 

大きな資金の動きは税務署に把握される

また相続人の方が個人事業主などをしていた場合の税務調査で、

「オーナーが出処が分からないお金で大きな買い物をしていた」という場合、

 

『この物品を購入するための資金はどこから持って来ているの?』

となりますし、

 

税務署に提出された開業届を見て、

『この事業の開業資金や増設資金はどこから持って来ているの?』

というように、

 

なんらかの関係で法人税調査や所得税調査が入った際に、【間接的に】相続した財産を申告していなかったことがバレるというケースもあります。

 

以上のように税務署は、被相続人相続人以上に相続財産について把握をしています。

ですので相続税が掛かる富裕層(資産3億円以上)に関しては、まず相続税を無申告という形で時効を迎えることは不可能に近いです。

 

なるほど。

資産家や富裕層の人達やその相続人は、税務署から完全にマークされており、

相続税を無申告のまま時効を迎えるのはほぼ不可能〟ということは分かりました。

 

じゃあ先生!

保有財産の総額が5千万~1億円くらいで、相続税が少しだけ掛かるような人達は税務署から捕捉されていないんですか?

 

相続人が相続税の発生に気付かない位の小額の相続でしたら、税務署も把握しきれないということはあるかもしれません。

ですが2015年の1月から実施された税改正によって、相続税の実質増税が行われて以降、

税務署はこの『相続税が掛かるか掛からないかの微妙なラインにいる人達』財産の把握(相続税の徴収にはかなり力を入れています。

 

ですので、

という考えは危険ですね。

 

 

時効(脱税)を目的とした贈与契約は無効扱いにされてしまう

また贈与税についても、『原則6年・悪質な場合7年』の時効を迎えるのは難しいです。

その難しさについては〝過去に行われた実際の裁判事例〟を見ながら説明をしていきたいと思います。

 

 

【1985年3月4日】

ことの発端は、とある親子が1985年の3月に不動産の贈与を行ったことから始まります。

通常の場合、不動産の贈与が行われた時には『贈与税の申告』『不動産の名義変更』が必要となるのですが、

 

この親子の場合は、贈与があったという『贈与契約書』のみを公証人に作らせただけで、

☑不動産の名義変更も

☑贈与税の申告も

一切していませんでした。

 

なぜならこの親子には当初から、

という思惑があったからです。

 

なので贈与税の税務調査を避ける為に、あえて不動産の名義変更を贈与税の時効が成立する7年以上が経過するまで行いませんでした。(※税務署には日々、法務局から不動産の登記資料が届くようになっており、そこから贈与税の税務調査が行われるとこの親子は心配したため)

 

【1993年12月13日】

そして最初の不動産の贈与があった年から約8年9か月後、キッチリと贈与税の時効期限を満たしたことを確認した上で初めて、

贈与を受けた息子本人が不動産の所有権移転登記を行います。

 

不動産の登記が行われたことで、税務署はこの親子間での不動産贈与をここで初めて把握するのですが、

税務署側は、

 

「この親子間の贈与税の時効は無効だ」

「実際に贈与が履行されたのは1993年12月13日の不動産登記が行われた日である」

として、この親子に対し、

 

➡贈与税金1億935万2300円と

➡無申告加算税金1640万2500円の賦課決定をしました。

 

この税務署側の処分に対し、この親子は裁判を起こすのですが、

 

 

その裁判の結果はというと・・・こうなりました。

 

 

となり、税務署側が勝訴し原告側の息子は敗訴という形になりました。

 

上記の判決からも分かるように、『時効(脱税)を目的とした贈与契約は無効扱い』にされてしまう為、時効の成立を迎えるのは大変難しいです!

 

 

贈与契約書や申告が無いものは貸付金扱いにされてしまう

上記のケースでは、贈与と同時に『贈与契約書』を作成していたケース(結果的に贈与は無効)でしたが、

 

また別のケースとして、

『贈与契約書』を最初から作成せず

➡『贈与税の申告』もしないまま

➡『金銭の贈与をして7年以上』が経過した場合には

『贈与税の時効は成立するのか?』

について見て行きたいと思います。

 

まず前提として

 

たとえ贈与の契約書を作っていなかろうが、

贈与税の申告をしていなかろうが、

 

法律的には『時効』を迎えた訳ですから、『贈与税の納税は必要ない』と思いますよね。

 

 

〝しかし税務署はそんなに甘くはありません〟

実際に過去の裁判で、税務署が贈与の実態を「時効が過ぎた後」に気付いた際に、

 

〝そもそもこの資金移動は『贈与』ではなく『子への貸付金だ!』〟とし、

この親子間で行われた贈与を『贈与』とは認めず、『親の債権』として相続財産に含めたという判例があります。

 

この税務署の処分に対し、当事者の親子は裁判を起こすのですが、

 

 

その裁判の結果はというと・・・こうなりました。

 

訴えを起こした親子は、税務署側から、

「贈与だと主張するのであれば、贈与である証拠(契約書など)を示せ!」

と言われるのですが、

 

そうした書類もない事から訴えを起こした親子は裁判で敗訴

そして課税が確定(貸付金として被相続人の財産に計上する)してしまったのです。

 

このように税務署側も、

〝時効期限を過ぎていたからといって、ただ指を咥えて無申告を見逃がす気はない!〟

というスタンスですので、贈与税の時効を迎えるのは大変です。

 

 

無申告や誤申告が税務署に発覚した際に課されるペナルティとは?

いや~。

相続や贈与税の時効成立を狙ったとしても、その要件を成立させるのってメチャクチャ難しいんですね。

➡そもそも遺された家族に多くの財産を残せる様な人は生前から税務署に捕捉されているし

➡財産を相続した後に無申告でいたとしても、その後のお金の動きや不動産の登記によって税務署にバレてしまう

・・・確かに冒頭で先生が仰っていたように、『無申告の状態で時効を迎えるというケースの方が稀』なんですね。

 

そうですね。

例え「時効期限を迎えてやろう!」と思ったとしても、殆どの場合、税務署に捕捉されて税金の課税がなされることになります。

 

それにもう一つ、私が相続税や贈与税の時効成立を意識的に狙うことをオススメしない理由があります。

 

オススメしないもう一つの理由・・・?

 

はい、それは・・・。

意図的な無申告や誤申告が税務署に発覚した際には、恐ろしいペナルティが課せられるということです。

 

次回の記事ではそんな、

『(最大40%の課税)相続税の無申告・誤申告が発覚した際に課されるペナルティまとめ』についてお話をしていきたいと思います!

相続に関する全記事はこちら
贈与に関する全記事はこちら
認知症対策に関する全記事はこちら
相続についての耳より情報はこちら

パソコン用の画像

スマートフォン用の画像

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -
秋山 清成
相続のご相談なら、秋山税理士事務所へ。国税局・税務署で40年以上相続を取り扱ってきた税理士が、相続対策や節税方法、相続税申告、贈与税についてのご相談など親切丁寧にサポートいたします。SRS(相続リモートサービス)にて全国のお客様に対応しております。どうぞお気軽にご相談ください。

Copyright© 姫路で相続のご相談なら秋山税理士事務所へ , 2019 All Rights Reserved.