相続における税理士選びは〝費用のみ〟で選ぶと大失敗します!
相続税法の改正により、平成27年1月1日から相続税の基礎控除額が4割減額されたことから相続税が掛かる方の割合が約2倍に増加しました。
そのため、日本中の税理士が相続税をビジネスチャンスと見て相続税申告の関与にシフトしている傾向があります。
しかしここで是非皆さんに覚えておいて欲しいことがあります。
それは、税理士にも『法人税専門』や『相続税専門』などの各自の得意分野があるということです。
お医者さんを選ぶ時を想像すると分かり易いと思います。
もしあなたの歯が凄く痛い時に、病院ならどこでも良いと近所の内科に行くでしょうか?
まず行きませんよね!
皆さんキチンと歯の治療に特化した歯医者に足を運ばれるでしょう。
税理士を選ぶ時も全く同じです。
相続の悩みを税理士に相談する場合は、単純に料金表の価格のみを見て比較をするのではなく、その税理士が本当に相続の専門家なのかをまずは見極める所から始めましょう!
相続において税理士を選ぶ3つのポイント
先生!
前回の続きである「相続において失敗しない税理士選びの方法」、是非私に教えて下さい!
わかりました、一成さん。
それでは早速、相続において失敗しない税理士の選び方を〝3つのポイント〟に絞って見ていきましょう!
ポイント① 相続を専門にしている
まず一番大事なポイントは、相談する税理士の方が〝相続を〟専門にしているかどうかです!
税理士にもお医者さんと同様に各自が最も得意とする専門分野があります。
☑歯が痛いのを内科医に見せてもどうにもならないように、
☑相続税の申告や相続税の節税対策を、
☑法人をメインサービスに掲げている税理士に依頼するのはおすすめ出来ません!
なぜなら法人や個人事業主をメインの顧客に据えている税理士は、相続税について基本的なことは知っていても、細かく難解な部分の所までは知らないからです。
逆に私のような相続税専門の税理士に、
・法人税の難しい質問や、
・法人税の節税策を相談されてもいけません!
何故なら私は相続税の知識を専門にしているため、法人税については基本的なことしか知らず、
お客様に対し正確なアドバイスや最新の法改正に適応した手続きを図ることが難しいからです。
・・・そうなんですね。
勝手に税理士さんといえば、全ての税金の知識に精通しているモノだと思ってました!
いえいえ、そんなことは無いんですよ。
全ての税金の知識に幅広く精通している人は、一つ一つの税法の知識がどうしても浅くなってしまう。
なので結果的に、かえって器用貧乏の様な存在になってしまうのです。
なるほど~。
ですので一成さん! 相続税の相談については、
ということでは決して無いということは、どうか覚えておいて下さい!
もしも価格で選ぶことになった場合でも、少なくとも〝相続税専門の税理士〟の中から報酬の安い税理士を探すようにして下さいね。
成る程。
分かりましたよ、先生!
ポイント② 財産の評価に強い
続いてはポイントの2つ目、
相続の相談は〝財産の評価に強い税理士〟に依頼することが重要!
という部分を説明していきますね。
相続税を計算する際には、亡くなられた方の財産の〝時価評価〟を行わなければなりません。
時価評価を行う財産をザックリと説明すると、
このようなモノが含まれます。
先生、すみません!
財産の〝時価〟ってどのタイミングにおいての〝時価〟なんですか?
おお、失念してました!
財産の〝時価評価〟を行うタイミングは、被相続人の方が亡くなられた日です。
この日を軸に置き、全ての財産の評価を行います!
さて、先ほどの続きですが。
上記の亡くなられた方の財産の中でも特に、
土地などの不動産の評価や非上場株式の評価は特殊な分野で、長期間資産課税部門で仕事をしてきた職員でさえどのように評価すべきかと悩む場面もあります。
そして何よりも、この土地の評価こそが相続税の額を大きく左右すると言われる程に、とても重要な要素となるのです!
また、不動産は高額ですから、相続税の評価の仕方を間違うとその差額は多額のものとなり、そのまま相続税額に跳ね返り余分な相続税まで納めるということになります。
お、恐ろしい・・・。
いや、本当にその通りです一成さん。
土地の評価は不慣れな人が行うと税額が〝何百万〟〝何千万〟と高くなってしまうことも珍しくありません。
更に恐ろしいことには、税務署は間違った評価のせいで納税者の税額が高くなってしまっていても、何も連絡をしてくれないのです!
・本来申告するべき数字の桁が一桁多かったり
・土地の評価に用いる路線価の本来の価格を単純に間違っている時など
単純ではっきりとしたケースであれば、税理士などに税務署から連絡が入り相続税の還付の手続を採ってもらうこともあるのですが、
・特例を使えば土地の評価額を大きく減らせる案件に特例を使っていないとか
・土地の形状によって評価額を減額出来る減額要素を用いていないとか
どちらとも採れる(相手の選択に任せる様な)ケースでは、相続税の還付の連絡はせずにそのままにしておきます。
税務署は税金を徴収するのが本来の仕事ですから、当然といえば当然ですよね。
土地の評価がいい加減で税金を払いすぎていても、納税者側は気付けないなんて・・・。
そう、納税者にとっては本当に怖いですよね。
財産の評価の中でも〝土地の評価〟については、
・多くの書物を読めば分かる
・そこに書いてあるというものではなく、
一流の職人さんと同じでやはり多くの経験が必要な分野なのです。
なので納税者の方々は、相続を相談する段階で相続に強い税理士を選定する必要があるんです。
ポイント③ 新しい相続の法律に対応している
最後はポイントの3つ目、
〝常に新しい法律に知識をアップデートしているか〟です。
常にアップデート・・・?
相続税の法律ってそんなに頻繁に変わるんですか?
そうなんです。
相続税だけでなく、税法というモノは結構頻繁に変わるんです!
なので、
・去年まで使えていた〝財産を減額できる制度〟が今年からは使えなくなった、とか
・逆に今年まで存在しなかった制度が来年から施行され、多くの人の相続の問題解決に適用出来そう、とか
改正されたり新設されたりする新しい制度の知識に対して、常にアンテナを張っておく必要があります。
日々の業務に忙殺されている専門家も多いですが、税法の知識のアップデートはお客さんにベストなアドバイスを行う上で必須です!
なので相続の相談の際には、これを怠っていない専門家の方を選ばれることをオススメします!
しかし先生!
相談する税理士さんが、新しい知識をアップデートしているかなんてパッと見て分かりませんよ!
その人の頭の中なんて覗けないし・・・。
その専門家の人が知識をアップデートしているかの判断は、その方が運営しているHPやブログを見てみると分かり易いかもしれませんね!
この様な方は、キチンと最新の税法の知識を蓄えられている方なので、安心して相談をしても良いと思います。
日本の相続税率はメチャクチャ高い!?
先生。今回の話で、
〝相続〟の悩みについては法人や個人事業主を専門にしている税理士ではなく、
〝相続に強い税理士を選ぶべき〟ということはバッチリ分かりました!
それを踏まえて、相続に強い秋山先生に是非これからも相続の相談をさせて頂きたいと思います!!
ですが・・・。
相談する専門家は決まったものの、
〝一体私の親父の財産にはどれくらいの相続税が課せられるのか・・・〟
今から憂鬱です。
日本の相続税率ってメチャクチャ高いって聞きますし・・・。
そうですね~、確かに日本の相続税の最高税率は55%。
これは世界的に見ても高いですから、一成さんが不安になられる気持ちは良く分かります。
・・・それでしたら次回はそんな〝日本の相続税の税率〟について
【最高税率は55%!? 世界一高額な日本の相続税率と相続税の基本的な計算方法を解説】
という話をして行きましょうか!
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