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相続に不慣れな税理士が行ったとんでもない相続のアドバイス3選【要注意!】

 
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秋山 清成
相続のご相談なら、秋山税理士事務所へ。国税局・税務署で40年以上相続を取り扱ってきた税理士が、相続対策や節税方法、相続税申告、贈与税についてのご相談など親切丁寧にサポートいたします。SRS(相続リモートサービス)にて全国のお客様に対応しております。どうぞお気軽にご相談ください。

実は税理士の仕ことにおいても、セカンドオピニオンを受けることが結構頻繁にあります。

皆さんも体調が悪い時に病院にいって、
・医師から受けた診断結果がいまいち自分の症状に一致しなかったり、
・出された薬がイマイチ利かなかった場合、
別の病院でセカンドオピニオンを受けることってありますよね。

それと同じことが税理士の世界にもあるんです。
 

私の所には、「秋山先生に仕事をお願いしたい!」と言って下さるお客さん以外にも、
「こんなことを税理士さんから提案されたんですが、念のために別の税理士さんに確認して欲しくて・・・」ということで相談に来られる方もいます。

今回はそんな風に受けた相談の中から、
・3つのトンデモない提案と、
・何故その提案がトンデモナイのか、というところを解説していきます。

まず1つ目は、養子縁組みに関する税理士のトンデモない勘違いについてのお話です。

これは電話で受けた相談なんですが、

まず相談者の家族構成は
・父と、既に他界している母
・長男である相談者と
・相続税対策の為に父の養子にした長男の妻
・長女
・次女

という構成になっていました。

そしてこの方の電話での相談内容は、養子を活用した相続税の節税対策についてだったんですが、

相続税というのは、亡くなった方の全ての財産に税率をそのまま掛けるのではなく、

亡くなった方の財産から債務や葬式費用などを引いた金額から基礎控除額というものを引いて税率を計算して行きます。

この、亡くなった方の相続財産から差引くことができる基礎控除の額は、
3,600万円+600万円×法定相続人の人数となっていますから、
・相続人が多ければ基礎控除の額も大きくなりますし、
・相続人が多ければ支払う相続税の額も下がります。

こういったことを考えられて、このご家族は相談者の妻を父の養子にしていたんですね。

さて、その後いよいよ、お父さんも高齢になって来られたので、本格的に相続税対策をする為に、相談者はとある税理士さんの事務所に行かれたそうなんです。

するとそこで、
「複数の実子がいると、養子にした長男の妻は父の相続税法上の相続人(法定相続人)にはなれませんから、基礎控除600万円の対象にはなりません」
と、言われたため、私のところに真偽を確かめに電話して来られました。

この税理士さんの発言はトンデモない勘違いでして・・・

養子縁組みを使った相続税の節税策については、メリット・デメリットを含めて以前別の動画で詳しく説明していますので、今回は簡単に説明させて貰いますが、

養子に関する相続税の基礎控除については、相続税法第15条に【遺産に係る基礎控除】として規定されています。

この規定を簡単に説明しますと、亡くなった被相続人に実子がいる場合には
・養子は一人まで、

被相続人に実子がいない場合には
・養子は二人までを相続税の基礎控除の計算に入れても良いという規定です。

実子がいる場合・実子がいない場合と規定されているだけで、【実子が何人】とは規定されていないんですね。、

相談者が指導を仰いだ税理士さんは、
「複数の実子がいると、養子にした長男の妻は相続税法上の相続人(法定相続人)にはなれませんから、基礎控除の対象にはなりません」と言っておられた要ですが、全然そんなことはありません!

例えば実子が10人いたとしても、養子一人は相続税の基礎控除の対象となるんです。

こういったことは、相続を取り扱う税理士であれば基本中の基本ですから、この税理士さんは、恐らく相続を専門にしていない税理士さんだったんじゃないかな~と思います。

さて、では②つ目の、夫の財産を高齢の妻が全て相続するというトンデモない申告書についてお話します。

「秋山先生、この申告書の通りにして本当に大丈夫なんでしょうか?」と申告書を持って相談に来られたのは、旦那さんを亡くされた70代の女性でした。

この方の家族構成は
・75歳で亡くなった旦那さん
・妻である相談者、75歳。
・そして子供は46歳の長男1人です。

亡くなった旦那さんが持っていた財産は1億円でした。

そして、今回の相談のタイトルにも有ります通り、相談者の奥さんが持ってこられた申告書には、夫の財産1億円は妻が全て相続する。
となっていたんです。

ちょっと計算式は省きますが、1億円ともなると、相続人が2人の場合の相続税は770万円にもなります。

しかし、ご存知の方も多いでしょうが、相続税には【配偶者に対する相続税額の軽減】というものがありまして・・・
この特例によって、配偶者は法定相続分又は1億6千万円までの財産なら、相続をしても税金は掛からない、ということになっているんですね。
(※ただし、この規定を適用した結果、相続税が掛からない場合であっても、相続税の申告は必要です)

なので、この申告書を提出すれば相続税は0円ということになります。

ですがここで、「税金が0円なの?ラッキー!」と喜んではいけません。

相続というのは、自分、自分の子供、またその子供と、ずーっと続いていくものですから、目先の税額を減らすことに拘っていてはダメなんです。

そしてこの相談者の方も同じように考えられて、私の元に申告書を持って相談に来られました。

実際、この申告書の通りに相続をしてしまうと、将来的に【折角】旦那さんが遺してくれた財産を【600万円以上】無駄に失うことになっていたんです。

どういうことかを、計算式を見ながら解説して行きますね。

まず、妻である相談者が旦那さんから1億円の財産を相続したら、
【配偶者に対する相続税額の軽減】によって相続税は0円です。

縁起の悪い話ですが、旦那さんが亡くなった翌年に相談者の方が亡くなったとしましょう。
この時、相談者が持っている財産は、旦那さんから相続した1億円ですね。
この1億円は長男が相続することになります。

そうなると、長男に掛かる相続税は1220万円になるんですね〔(1億円:課税財産額-3600万円:相続税の基礎控除額)×30%:税率-700万円:相続税の税額控除額〕

では、旦那さんが亡くなった時に、旦那さんの財産を相談者と長男で半分ずつ相続していたらどうなるかというと・・・

ちょっと計算式が多くなるので結果だけお伝えするんですけど、相続税の総額は770万円になるんですね。

この税額を、相続した財産の額に応じてそれぞれが負担するので、1人当たり385万円の相続税を納めることになります。()

しかし、妻には 配偶者に対する相続税額の軽減がありますから、相続税を払うのは長男だけですね。

そして、また縁起の悪いことですが、翌年に相談者の方が亡くなったとします。

この時に長男が納める相続税額は160万円なんですね〔(5000万円:課税財産額-3600万円:相続税の基礎控除額)×30%:税率-700万円:相続税の税額控除額〕

旦那さんが亡くなったときに、妻である相談者と長男で財産を半分ずつ相続していれば、結果、長男が納める相続税の総額は545万円(父の時の相続税385万円+母の時の相続税160万円)になるんです。

もし相談時に持ってこられた申告書の通り、相談者が旦那さんの財産を全て相続して、翌年に亡くなった場合・・・長男が納める相続税額は1,220万円でしたから、545万円と比較すると実に675万円も無駄に納めることになりかねませんでした。

せっかく苦労して蓄えた財産ですから、より多く家族に残すためにも、相続税は少ないに限りますが、目先の税金にこだわると、結果として多くの相続税を納めることになるんです。

一般の方が相続税の申告書を作成するのは【かなり】困難ですから、99パーセントの方が税金の専門家である税理士に申告書の作成を依頼されます。

しかし、相続税は相続に慣れた税理士に依頼しないと、無駄に相続税を支払うことになりかねませんから、気を付けてください。

最後に3つ目の、同族会社の株の贈与に関するトンデモない提案なんですが、

この提案を詳しく解説する前に、この提案を受けたご家族と、その同族会社の概要について少し触れますと・・・

このご家族は、
・相談者とお子さん1人という家族構成で、

 相談者には
・1株500円の同族会社の株式10万株。
つまり5億円の価値がある株式ですね。

これと、
・それ以外の金融資産5億円の資産がありました。

ちなみに、この同族会社の業績については、年々利益が下がっていっている。

といった背景があります。

なんにせよ、この方は合計すると10億円という大変な財産をお持ちだったので、将来子供が払うことになる相続税の節税対策のために、と、ある税理士さんに相談に行かれたそうなんです。

そこで指導された節税案に疑問を持たれたので、私の所に相談に来た、という次第でした。

その提案というのが、将来的に億単位の財産を失いかねない、トンデモない内容だったんです!

さて、この方が受けた提案内容というのは、同族会社の株式10万株を、親から子供に贈与するのに、相続時精算課税制度を使って行う。というものでした。

本題に入る前に少し相続時精算課税制度の概要を簡単に説明しますと、
・60歳以上の親や祖父母から、
・20歳以上の子や孫に財産を贈与する場合には、
・2500万円の控除が認められている。というものです。
。つまり、この制度を使えば、子どもや孫は2500万円までの贈与については

・贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに
・相続時精算課税制度を使って贈与を受けますという贈与税の申告書を、
・財産を貰った子どもや孫の住所地の税務署に提出すれば、
・贈与税は掛からないんです。

また、一般的な贈与税は、左側の表のように、貰った財産額が多いほど高い税率が適用されますが、相続時精算課税制度の場合は2,500万円を超える部分についての税率は、一律20パーセントになります。

そしてこの制度を使う上で、注意が必要なポイントがいくつかありまして、それは
・一度『相続時精算課税制度』を選択すると、その後もずーーっと適用され、
・贈与税の基礎控除110万円と併用が出来ない、ということです。

例えば、父親からの贈与に対して『相続時精算課税制度』を選択した場合、父親からの贈与額の合計が2,500万円を1円でも超えてしまえば、
その後、父親から受ける贈与については
・10万円を受け取っても贈与税20%、
・5万円を受け取っても贈与税20%、ということになるんです。

さて、『相続時精算課税制度』の説明はこれくらいにして、本題に入りましょう。

相談者の方がとある税理士さんに受けた提案というのは、この『相続時精算課税制度』を使って、時価総額5億円の株式を子供に贈与する。というものでした。

もし『相続時精算課税制度』を使わずに、普通に贈与した場合、贈与税は2億6,779万5,000円(5億ー110万円×55%)ですが、

この提案通りに『相続時課税制度』を使って贈与をすれば、贈与税は9,500万円((5億ー2500万円)×20%)になるんです。

なんと!贈与税の額が半分以下になりました。

「税金が半分以下になるんだから、この提案、何も悪くないんじゃない?」って思われたかもしれませんが・・・

ここで喜んではいけません。
この『相続時精算課税制度』は読んで字のごとく、「相続が発生したときに清算して相続税を課税しますよ」というものなんです!

つまり、「贈与して財産を5億円減らせた♪しかもそのウチ2,500万円分の贈与税は非課税だった!これで相続税がかかる財産は残りの5億円だけ!」ということでは全くなくてですね、

相続が起きた時には、親の手元に残っていた金融資産5億円+子供に贈与した時価総額5億円の株式、つまり、10億円分に相続税が掛かるんです!

しかも、この同族会社の業績は下がっていっているとのことでしたから、贈与時に時価総額5億円の価値があった株式が、相続時には2億円に値下がりしていたとしましょう。

ですがそれでも、相続税が課税される財産額は変わりません。

相続時精算課税制度を使用した後に株式の時価が上がったとしても・下がったとしても、相続時に贈与したときの価格、つまり5億円で清算することになるんです。

では、この提案を受けていたらどういうことになったのか、具体的な数字で見て行きましょうか。

相談者の方によりますと、同族会社の業績は年々下がっている。とのことですので、時価総額5億円だった株式が、相談者が亡くなったときに2億円になったという想定で計算します。

まず
・この提案を受けずに、
・何も相続税対策をせず、
・株式の価値が下がった場合に相続税がいくらになるのか・・・と言いますと、相続税額は2億9,320万円です。〔(7億円-基礎控除3,600万円)×55%-税額控除7,200万円〕

そして
・この提案を受けて
・相続時精算課税制度を使って時価総額5億円の株式を子供に贈与した場合
・株式の価値が下がったとしても、贈与時の価額で計算しますから・・・

相続税は3億6,320万円になります。ですが、相続時精算課税制度を適用したときに贈与税9,500万円を納めてますので、子供が納める税金の合計は4億5,820万円になりますね。
相続税〔((親の財産5億+相続時5億)-基礎控除3,600万円)×55%-税額控除7,200万円-相続時精算課税制度を適用した際に支払った贈与税額9,500万円〕+既に支払った贈与税9,500万円

なんと、相続税対策を何もしなかった場合との税額の差は、1億6,500万円にもなりました。

しかも、この提案をした税理士は、提案を実行したときの報酬として500万円を提示していたのですから、もし相談者の方がこの提案を受けていたら・・・1億7,000万円ものお金を無駄に失う可能性があったんです。

『相続時精算課税制度』を使って贈与をするならば、
・価値が変動しない現金・預金や
・値上がりが期待できる株や不動産を贈与するのが鉄則です。

業績が下がっている株を贈与するなんてトンデモない!

『相続時精算課税制度』というのは仕組みをしっかりと理解していないと、非常に危険な特例なんです。

この特例は私がまだ税務調査官時代にできたんですが、
税務調査官でさえ「なんて危ないんだ!」と口を揃えて言っていました。

今の時代、相続についての簡単な情報などは、インターネットで簡単に調べることができますから、

・誰が法定相続人にあたるのか、であるとか
・どんな物が財産になるのか、とか
・どんな場合に申告や納税が必要なのか、など、

こういった基本的なことは、覚えるのもそう難しくありませんし、

このチャンネルでも、今後こういった相続の基礎的な部分や損をしない為の情報などを繰り返しお伝えして行きますんで、是非、少しづつ覚えて行って頂けたらと思います。

相続税対策や相続税の申告書作成を依頼しようと思っている税理士さんが、もし、こういった基本的な内容に関する質問に答えられなかったり、間違ったことを言われるようでしたら、

相続専門ではない可能性がありますから、別の税理士さんに相談に行かれることをオススメします。

相続や贈与は、親や配偶者・自分が築いた大切な財産を取り扱うことになりますから、もし、依頼した税理士さんの提案や申告内容に、少しでも疑問を持たれた場合は、手遅れにならないウチに別の税理士さんに相談してみることをオススメします!

今日は、
「相続に不慣れな税理士が行ったとんでもない相続のアドバイス3選」についてお話しました。

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秋山 清成
相続のご相談なら、秋山税理士事務所へ。国税局・税務署で40年以上相続を取り扱ってきた税理士が、相続対策や節税方法、相続税申告、贈与税についてのご相談など親切丁寧にサポートいたします。SRS(相続リモートサービス)にて全国のお客様に対応しております。どうぞお気軽にご相談ください。

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