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遺産相続狙いの新妻VS大富豪 意外な勝負の行方

 
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秋山 清成
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とある男女の結婚と周囲の疑惑

 

2012年の11月フランス南東部の田舎の村で1つの事件が起こった。

村に住む当時67歳の男性(マルセルさん)が不幸にも車に轢かれ、命を落としてしまったのである。

この文章だけを読むと、とある男性の不運な交通事故なのかと思ってしまうが、実はこの事故の背景には、複数の人間の思惑が複雑に絡み合っていたのである。

では、この【事故】の中身を少しづつ見て行こう。

2011年の9月に、フランスの村でとある1組のカップルの結婚式が執り行われていた。
新郎の名はマルセル、妻の名はサンドリン(当時42歳)
当時パリの不動産業者だったサンドリンは土地売買の過程でマルセルと急に親しくなり、式を挙げた。
式の当日、そこには幸せそうに笑い合う2人がいた。

しかしこれに対して村の人々の間である疑惑や噂が浮上した。

「この結婚はサンドリンがマルセルの財産を目的とした結婚ではないか?」

何故、2人のカップルの結婚に村の人々はこの様な疑惑を抱いたのか?

その疑問を解決するにはマルセルという男性の素性を知る必要がある。

そもそもこの交通事故に会った男性(マルセル)は、普通のどこにでもいる一般的な男性では無く、なんと複数の建物やその他広大な土地を所有する大富豪だったのである。

当時67歳の大富豪と42歳の女性、25歳も離れた男性と結婚したサンドリンに疑惑の目が向けられるのは仕方の無い事であった。

 

最悪の結末を迎えて  ~妻の思惑・夫の思惑~

そしてマルセルとサンドリンが結婚して1年2ヶ月経った2012年11月、村人の疑惑は最悪な結末として的中してしまう。

突然の交通事故で夫のマルセルが死亡。
そして何とマルセルを轢いたドライバーと妻のサンドリンが知人であったことが判明し、この【事件】は世間の関心を集めた。

マルセルが死亡したあと妻のサンドリンは「彼の遺産を相続する」と宣言。
しかしそう簡単にサンドリンの思惑通りに事は運ばなかった。
 

2013年マルセルが封筒の裏に書いた短いメモに「知人と親戚に私の財産をわけます」と遺言が書かれていたのだ。

妻のサンドリンさんは紙切れに書かれたものが夫が書いた物か確認することが出来ないと訴訟を起こしたが、今月12日、裁判所が「マルセルさんが書いた遺言である」と判決を下し、一銭の遺産も相続することができなくなった
これは手書きの専門家による結論だ。

ちなみにマルセルさんを轢いたドライバーは過失致死罪の容疑を掛けられるが、無罪となっている。

サンドリンも現時点では起訴等がなされていない事から、この事件にサンドリンが関わっている確実な証拠は出て来ていないのであろう。

もしかしたら、この事件は本当に只の不幸な事故だったのかもしれないが、事前にマルセルがサンドリンとの結婚期間中に「知人と親戚に私の財産をわけます」という遺書を書いていた事を考えると、

やはりこれは、【事故】ではなかったのでは無いかと思ってしまうし、上記の様な遺書をマルセルさんがどんな心境で書いたのかを考えると心が痛む出来事である。

 

フランスの裁判結果と遺留分請求

この文章を読んでいる方で、相続や民法に詳しい人は一つ上記の裁判所の判決に疑問を持つ方がいると思う。

何故、サンドリンはマルセルの正式な配偶者であるのに、遺留分減殺請求が受け付けられていないのであろうか?

遺留分減殺請求とは
のページで書いている様に、日本の民法ではあまりに偏った内容の遺言書は相続争いの原因になり易く、

財産を本来貰える筈の法定相続人が、遺言により1円の財産も貰えなかった時には、財産をもらった人に対して遺留分減殺請求によって定められた相続分を請求する事が出来る。

上に出てくるサンドリンはマルセルの妻なので、日本の民法上では当然に遺留分減殺請求を遺言により遺産を受け取ったマルセルの知人や親戚に請求が出来るのがセオリーなのだが、フランスではどうやら違うらしい。

 

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