税務調査に強気な税理士 vs 協力的な税理士 お客さんのためになるのはどっち?

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秋山 清成

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    税理士の会合に出席してお話をしていると、皆さんアルコールのせいもありいろいろな話が出て面白いです。

    先日の会合の席では、「税務職員を言い負かせてやった!」

    と得意げにお話をされる方がいらっしゃいました。

    それも国税OB(国税局や税務署に勤めた後に税理士になった人)の方です。

     

    私も彼と同じく元々税務職員として働いておりましたが、彼の意見とは違い、

    「税務職員を言い負かしたとしても、得られるメリットよりもデメリットの方が大きいのでは?」

    と思いながらその方の話を聞いていました。

    税務職員と喧嘩することのメリット・デメリット

    税理士は依頼人(納税者)の側に立つ税の専門家です。

    なので依頼人の方のことを第一に考え、彼らが不利になってしまうようなことは絶対にしてはいけません。

     

    先程の話も、税理士が調査官にキッパリと抵抗すると

    「税務職員にもハッキリとものが言える頼りになる先生」

    と依頼人に印象付けることが出来るのかもしれません。

    一時的に依頼人の方からの信頼も厚くなるかもしれませんね。

     

    ですが忘れてはいけません!!

    税務職員にも感情はあり、彼らも人間なのです。

     

    調査に非協力的であれば、結果的に依頼人が不利になる可能性が上がる

    税理士側が税務調査に非協力的な行動を取ると、調査側はどういうった行動を取るでしょうか?

     

    税務職員は、相手側が調査に非協力的であれば何かがあるとまず勘繰ります。

    すると、あっちもこっちもとことん調査をやり出すから、調査は却って長引くのです。

     

    相手側が、調査に非協力的(攻撃的)であれば顔には出さないですが、

    心の中で「このやろう」と思っているので、当然普段よりも力が入るのは当たり前ですよね。

     

    その間、納税者はどうなるのだろうと心労が溜まる一方に・・・。

    なので結局、税理士自らが自分の依頼人を苦しめているという結果になるのです。

     

    相手に怒りの感情を抱かせても、何も良いことはありません

    ちなみに、私の現職時代の話になりますが、

    とある案件である税理士の方の

    「更正できるものならやってみろ!!」

    の発言に発奮して、

    ・銀行調査では昼は応接室でパンを食べ

    ・夜は銀行員が「そろそろ閉めます」という午後9時ごろまで10日間、銀行内の伝票などの証拠書類を集め

    ・家では土日もなく毎日午前2時まで書類の整理及び構成理由書の作成を行う(家に持ち帰り仕事が可能な時代だった)

    これらを約1ケ月行って更正処分をした経験があります。

     

    もちろん超過勤務手当は出ませんが、そんな金銭の問題よりも

    「このやろう!」

    という意地があり燃えているので、いくら仕事をしても疲れないのです。

     

    調査をしている途中で、その税理士の方が私の本気度を感じたのか

    「どうにか話し合いで決着は付けられないものか」

    と言って来られましたが、その提案は撥ねつけて約1億8千万円の更正処分を行ったのです。

     

    国税OB税理士の強みとは

    ということで、出さなくてもよい修正申告書を出す必要はさらさらないですが、つまらないところで税務職員を刺激しても一つもいい事はないと私は思っています。

    なので私は税理士となった今、調査立ち合いの際には調査官に思いのまま好きにやってもらう姿勢で臨んでいます。

    その方が、税務調査官を無駄に発奮させず、絶対に依頼者の方の為になるのですから。

     

    国税OB税理士の強みといえば、現職時代に実際に自分がやっていた事の裏返しで調査の対策を立てることだと思います。

    ・この案件の問題点はどこか

    ・調査官は何を考えどのように調査を進めようとしているのか

    ・そして落ち着くところ(修正金額の落としどころ)はいくらか

    などは手に取るように分かるわけですから、何も税務調査官に抵抗して刺激する必要などないのです。

     

    自分のクライアントの案件の問題点(税務職員からいえば調査項目)が見えれば、

    事前に対処もできるのですから、敢えて税務職員に抵抗しなくても良いと私は思います。

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