亡くなった方の財産は相続税の調査の際、税務署にどこまで把握されているのか?

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秋山 清成

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    亡くなった方の財産は税務署にどこまで把握されているのか、皆さんご存知でしょうか?

    実は相続税は他の所得・法人税とは異なり、税務調査に入られる可能性が高い税金なんです。

    何故かというと、相続の申告というモノは

    亡くなった本人(被相続人)が直接申告を行うものではなく、

    遺された家族が被相続人に代わり行うものだからです。

    だからどうしても把握できる財産に漏れが生じやすく、税務調査官に提出した申告書の内容を突つかれ易いのです。

     

    そんな税務調査の際に税務署側は、遺された家族でさえ知らなかった被相続人の預金口座不動産等を網羅的に把握して突っついて来るのですが、

     

    〝なぜ税務署は亡くなった方の財産を遺族よりも正確に把握しているのでしょうか?〟

    今日はこのカラクリについて話していきたいと思います。

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    記事を読みたい方は、このまま下に読み進めて下さい。

     

     

    税務署は所内に「独自の大型コンピューター」を所有している

    税務署には国税総合管理システム(KSKシステム)という国税庁独自の大型コンピューターがありまして、

    ここに皆さんの過去の〝情報〟が全て入っているんですね。

     

    例えば、

    ・三十年前に土地を売って高額なお金が入ったとか

    保険金の支払いとか

    金などを売却した場合とか

    不動産を他の会社に賃貸して賃料を取っている場合など

    こういうものは税務署に「支払い調書」というものが出てきますから、

    そんな情報も全てこのKSKシステムに入っております。

     

    だから大概の情報は税務署は知っており、

     

    「あの時の財産のやりとりなんて、もう十年前のことだから税務署も分からないだろう

    なんて思ってらっしゃっても・・・、

     

    まぁ恐るべし税務署なんです。

     

    税務署は金融機関や証券会社から被相続人の正確なデータを収集している

    また相続税の申告書が出て来まして、所謂金融資産が多い場合などですと、

    税務署は被相続人が亡くなられた日から起算して、

    過去3年間、後6ヵ月の間の

    被相続人と家族の方々全員のデータを

    金融機関(銀行や証券会社)に照会文書を送り、取引内容なども把握します。

     

    ですから税務署は、申告書を作った税理士以上に亡くなった方の資産内容家族の貯蓄などもよく知ってるんですね。

    また、

    ・遺された相続人の方達が忘れている様なこと、

    ・知らなかったことでも全て把握しているんです。

     

    なので相続税の調査で調査官が自宅に来た時というのは、

    〝調査というものは大体もう8割方は終わっている〟と思って頂いても間違いありません。

     

    税務調査時の調査官は膨大なデータを基に相続人を揺さぶる

    上記で、

    〝相続税の調査で調査官が自宅に来た時というのは、調査というものは大体もう8割方は終わっている〟

    と書きましたが、

     

    でしたら税務署はなんの為に調査に来るのでしょうか?

    ここからは、膨大な情報を持っている税務調査官がどの様に相続人に対して調査を行うのかという部分をお話しします。

     

     

    税務署は何のために調査に来るのか

    ・まず一つ目は私が調査させて頂きますよと言う挨拶ですね。

    所謂今後のための顔合わせという面があります。

     

    ・そして二つ目は調査項目になってる部分を相続人から話を聞いて外堀を埋めるためです。

    中にはここで、既に調べて知っている事でも〝敢えて〟相続人に聞いたりします。

     

    「なんのためか」

     

    これは相続人の方が正直な人なのか、ウソを付く人なのか、これを確かめる為と、

    あわよくば虚偽の答弁を引き出して重加算税を掛けるため〟に聞くこともございます。

     

    まぁ一つの例なんですけど

    例えば被相続人(亡くなった方)が遠方の銀行に預金があった場合など、

    ・既に税務署は預金があることを知っているような時でも、

     

    敢えて相続人の方に、

    「亡くなったお父さんは福岡県出身ですよね福岡県には預金はなかったのですか?」

    と言うような事を聞くわけですね。

     

    そこで相続人が「確かにありましたね」なんて仰って頂けたら良いんですけど、そこで、

    などと答えられますと、質問顛末書という書類を取ったりするんですね。

     

    この質問顛末書というものなんですけど、

    これは調査の後で、言った言わないというような問題が起こらない様、証拠を固める為にとるんですね。

     

    ここがポイントなんですが!!

    ・遠方の預金の存在を知らなかったら

    「過少申告加算税」これで済むんですけれど、

    ・知っていて故意に申告していなかったら所謂財産隠しということになり

    「重加算税」の対象になるんですね

     

    〝知っていて申告しなかった〟これはですね、

    ・例えば相続開始後に預金を解約してらっしゃるとか

    ・一部預金の引き出しをしているとか

    こういうことになりますともう知ってることは明らかですので、

     

    〝アウト!〟という風になるんですね。

     

    解約引き出しをされていたら、知らなかったでは済まなくなってしまうんですね。

     

    税務署は解約や引き出ししていることまで知っていて質問してくる場合がありますから、

    相続人の答弁を聞いて職員が

    こういうことを言われましたらですね、

    もう遅いかもしれませんけど正直に白状した方が傷が小さく済むかもしれません。

     

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