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【書面添付はむしろデメリット!?】相続税においては、書面添付制度を行ったとしても税務調査の確率は下がりません!

 
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秋山 清成
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税理士法第33条の2に書面添付があります。

ネット上でも書面添付制度の利点が数多く紹介されているので、概要を説明しますと、

書面添付制度とは

①まず税理士が税務署の代わりに、預貯金の入出金や家族名義預金などの有無について、納税者に質問や通帳等の確認を行います

②そしてこれをまとめた書面を申告書とセットで税務署に提出
(※この際の書面に税理士が虚偽の記載を行うと、懲戒処分の対象となる可能性が高い)

③上記を行った場合には税務調査の可能性が下がると言われているものです。

 

 

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書面添付制度を熱望するAさんが秋山税理士事務所を訪問

先日とあるお客さんが、この書面添付制度の関係で相続税申告の相談に来られました。

 


先生!

先生は相続税の書面添付はされていますか?

 


いえ、申し訳ないですが・・・。

私は書面添付は必要ないと思っていますので、やっていないんですよ。

 

そうですか・・・。

今回、私自身どうしても書面添付制度を利用したいと思っているのですが、無理でしょうか?

 

なるほど。

では、お話をまずはお聞きしますね。

 

はい!

実は・・・。

 

・・・。

申し訳ないですAさん。

そういったことでしたらやはり私自身、書面添付を行うことは出来ないです。

 


そうですか・・・。

先生にお願いしたいと思っていたのですが、私自身どうしても書面添付制度を利用したいと思っているので、今回は他の税理士さんを当たってみますね。

 


今回相談いただいた内容を前提に、Aさんが絶対に書面添付を使いたいということであれば仕方がないですね・・・。

申し訳ないです。

ですがAさん、引き続き相続税の相談で税理士の方を探される場合、必ず相続税専門の税理士を当たってくださいね。

 

はい! わかりました!

 

今回Aさんの依頼で書面添付を断った理由

私も当然、仕事がいらない訳ではありません。

なので、基本的に書面添付は行っていませんが(理由は後半で説明します)、依頼人に強く依頼されれば絶対に書面添付はしない〟ということは無いのです。

私は書面添付こそ行ってはいませんが、但しどの案件においても、書面添付を行う上での必須の確認項目になっているモノは、相続人から資料提供を受けて行っています。

ですので書面添付を行うとしても、そんないつもの業務の延長線上で書面添付のチェックシートにチェックを入れて提出するだけですからね!

 

ですが私が今回Aさんの要望を断った理由、

それは、Aさんの相談内容では書面添付制度は絶対に使えなかったからです!

以下が今回Aさんが私に相談された内容なのですが・・・。

相談の内容

・父が死亡して、相続人は配偶者(妻)・長男・次男及び長女の4人です。

・財産は、土地・建物・有価証券(上場株式)・現金・預金及びその他の財産(僅少)という内容でした。

・更に詳しく聞いてみると、「名義預金」があるということでした。

 

そう、今回書面添付を熱望されたAさんの財産には〝名義預金〟があったのです。

なので私は〝名義預金があるのならば書面添付は出来ません〟とAさんに回答をしました。

 

書面添付制度の利用をAさんが熱望していた理由

相談中あまりにもAさんが書面添付を行うことに拘られていたので、何故そこまで書面添付を熱望されているのかを聞いてみました。

するとAさんは、このように仰られました。

 


書面添付をすると税務調査がないということを聞いたんですよ!

それに、ある税理士事務所のホームページでも税務調査が避けられると書いているのを見ました。

税務調査とか怖いんで、税務調査が来ないという〝書面添付〟を行って欲しいんです!

 

書面添付をすると税務調査が避けられる?

税務署に長年勤めていた経験から、上記のAさんが見聞きしたという情報に疑問を持った私は、Aさんが帰られた後でネットで書面添付制度について解説している税理士のホームページを見てみました。

ありました、たくさん載っています。

 

確かに、これを見たら誰でも書面添付さえすれば税務調査が来ることはないと思い、

〝書面添付をしてくれる税理士〟を探して依頼しますよね。

特に相続税は、税理士(相続の専門外)でさえ詳しく理解出来ていない分野ですし、一般の人は皆目知らない分野ですから・・・。

 

私は国税局や税務署で、2万件近くの相続税案件を

「調査対象にするか」

「省略処理(調査しない)するか」の申告審理という事務を行って来ました。

申告審理はどのようにして行うのかは「自著:間違いだらけの相続税対策」で書いていますので今回は省略しますが、上記の経験からハッキリと言えることがあります。

書面添付ができる案件というのは、そもそも調査対象にならないのです。

 

書面添付ができる案件はそもそも調査対象にならない

具体的に説明しますと、

私は税務署の申告審理の経験に基づいて、お客さんから依頼を受けた案件の相続税申告書を作成していますが、

そこで何の問題(後ろめたさ)もなく、清廉潔白に相続税の申告書を作成できる案件は、そもそも税務調査の対象にはなりません!

 

・通常の相続税の税務調査は申告された全体の内の20%程が行われていますが

・ネット上では〝そこで書面添付をすると税務調査が5%程になる〟と謳っているものが見受けられます。

 

しかし繰り返しになりますが、書面添付が出来るような相続税案件はそもそも調査対象外なのです!

書面添付をしたから税務調査がないのではなく、書面添付が出来る(申告に対し何の後ろめたさも無い)相続税案件は最初から税務調査外です!

 

ですから、そもそも税務調査外なものを分母に入れて%を比較すること自体がナンセンスであり、

〝書面添付をしたから〟最初から調査対象外にするということはなくて、まずは全案件をテーブルに乗せて申告審理を行うのです。

もう一度言いますね。

申告審理は、書面添付があろうが・なかろうが区分することなく実施します。

なので書面添付があるからといって、最初から相続税案件を省略処理にはしないのです。

 

私は書面添付はしないことにしています

ということで私は、

・書面添付で要求されているチェック項目は、毎回確認して相続税の申告書を作成していますし、

・その上で書面添付自体が調査を受ける、受けないには全く関係ありませんから

書面添付はしないことにしています。

仮に、私が書面添付をしているとしたら、

・書面添付をしたもの(後ろめたさ無し)は「調査省略」

・書面添付をしていないもの(後ろめたさあり)は「調査対象」なのです。

税務署側からすれば、

『秋山税理士はいつも書面添付をしているのに、この事案は書面添付がない!何か問題があるのだな』と、

手間暇かけて申告審理するのではなく「はい調査」となります。

 

結果として、書面添付は税務調査官が調査の前に取り敢えずは税理士に面談するというだけで、メリットとすればそれだけです。

税理士との面談が済めば自宅に調査に来ます。

税理士との面談をするということは税務調査ありきなのです!

 

しつこいようですが、最後にもう一度だけ言っておきますね!

表面上では、書面添付をすれば税務調査が少なくなるという意見もありますが、

実態としては、書面添付があろうが無かろうが同じです!

 

逆に相続税に関しては書面添付はデメリットの方が多いと、長らく相続税を担当してきた元税務調査官の私としてはそのように思っています。

 

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