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【チュートリアル徳井さん】無申告の人に重加算税を課すことの難しさ【国税OBが語る】

 
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秋山 清成
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今回はチュートリアルの徳井さんの脱税問題に対して、

国税OBの時の歯痒い経験を元にお話をして行きます。

 

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法人(チューリップ)設立は何の為に行われたのか?

まず今回の徳井さんのお話しをする場合は、税金の仕組みを知っていなければ、話しの流れがつかめないので税金の基本的なことを説明しますが、

税金の計算は、基礎控除とか、皆さんおなじみの医療費控除とか社会保険料控除なども関係して来て非常に難しいので、細かいことは省いて説明します。

先ず、個人が稼いだお金に掛かる所得税の税率なんですけど所得金額が4,000万円を超えますと最高税率の45パーセントが課税されます。

 

一方、会社が稼いだお金に掛かる法人税の税率は、所得金額が800万円以下であれば15%、800万円以上であれば23.2パーセントなんですよね。

 

ですから、たくさん儲けていらっしゃる方は、所得税で課税されますと多額の税金を納めなくてはいけないんで、その節税のために法人を設立するんですよね。

具体的な数字を使って説明しますと、例えば所得税での納税の場合、1年間に5,000万円の所得があったら、(所得というのは、収入から経費などを差し引いた金額なんですけど)5,000万円×45%-479万6,000円(税額控除)で、約1,770万円の税金を納めることになるんですね。

 

しかし、法人税での納税の場合、この5,000万円の所得を会社(法人)の所得にするんですよね。
そして普通は、その会社から役員・社員に給与を払いますよね、払った給与が2,000万円だったとしましたら、法人の所得は5,000万円-2,000万円は3,000万円になりますから、法人税は800万円×15%は120万円、2,200万円×23.2%は510万4000円で合計約630万円になりますね。
一方、個人の所得税になりますと、2,000万円の給与を貰ったとすると、いただいた給与全額が課税対象ではありませんよね。

2,000万円の給与を貰った場合の課税対象金額は1,780万円(2,000万円-220万円(給与所得控除))です。

 

1,780万円の税金(源泉徴収税額)は、1,780万円×33%-153万6千円(所得税の税額控除)ですから、約434万円になるんですよね。
このように、法人を設立した場合の所得に関する税金は
法人税で630万円と源泉所得税として約434万円ですから、合計約1,064万円になるんですね。

 

結果としまして、法人を設立しなければ、
・個人の所得税として5,000万円の所得に対する税金が約1,770万円を納めることになるんですが、
・法人を設立して節税することによって、約1,064万円で済むんですね。
なんと法人税の方が納める税金が、約706万円減るんです。

 

 

しかしですね・・・、この報道を見てどうしても分からないところがありまして、今、説明しましたように、法人を設立するというのは「税金の節税目的」なんですよね。

節税目的の為に、法人を設立しているのになぜ申告しなかったのか?なんですよね。申告しないのであれば法人を設立した意味が全くないじゃないですか!なんで設立したの?意味ないじゃん!という話なんです。

 

いや~あ、一般市民でさえ収入があるのに申告をしていないといつ税務署が来るのかドキドキしているのにあんなにたくさんの番組を持っている人がましてや、あんなに稼いでいる人がよく平気で何年もメディアに出ていたこと自体が信じられませんね。

 

徳井さんの顧問税理士は何をしていたのか?

 

税理士は何をしていたんだ!という意見もありますが、私も税理士ですから、税理士を庇う意見と取られる可能性もありますが、あくまでも予想ですが、徳井さんは数年前からキチンと税理士との顧問契約をしていなかった可能性がありますね。

キチンと顧問契約をしておれば、税理士はもっと強硬に「徳井さん、申告しなさい!」と言えるんですけど、顧問契約がなければ、徳井さんに対する税理士の立場ってアヤフヤですから、「申告しなさい!」って強硬には言えないと言いますか、言える筋合いではないんですよね。

「あなたとは契約していない。もう他の税理士さんにお願いしているんや」って言われたらそれまでですからね。
税理士の立場として、相談は受けたけど本当に自分のお客さんになってもらえるのか分からない宙ぶらりんのお客さんって結構あるんですよね~。

 

今回の徳井さんの無申告問題に何故重加算税が課されないのか?

また徳井さんは重加算税も賦課されていますので重加算税のことも色々と議論されていますけど、

重加算税って、「仮装・隠ぺい」という悪質な行為が認められた時に賦課される罰金なんですね。

仮装と言いますのは、相続税であれば、例えば、借金がないのに借金があったようにして、債務として財産から控除するといったようにないものを有ったように装うことですね。

また、隠ぺいとは、例えば財産の中に純金などがあったのにこれを隠して財産に計上しないことを隠ぺいと言うんですね。

この重加算税については、私も国税調査官時代に歯がゆい思いをしたことが多々ありました。

経費は、200万円しかなかったのに、支払っていない経費を水増しをして400万円を計上していたとか(仮装)
収入が1,000万円あったのに収入を誤魔化して750万円しか申告しなかったとか、(隠ぺい)

 

このように、まずは、申告をして、その申告の内容を誤魔化していると、
これは仮装・隠ぺいをしたことになりますから重加算税が賦課されます。

しかし、今、説明した人は、税金を誤魔化したとはいえ、取り合えず申告はしてるんですよね。申告内容を誤魔化したとはいえ、申告はしているんです。

何が言いたいかと言いますと、今回の徳井さんは申告をしていない期間があったんです。

どうでしょう、見方を変えれば、申告をして内容を誤魔化した人と、そもそも申告をしていない人とどちらが悪質なんでしょうね?

 

申告をして売り上げや経費を誤魔化した人には重加算税が掛けられます。

 

しかし一方で、申告が無い事案は、無申告事案と言うんですが、無申告事案は重加算税が掛け難いんです・・・。

申告するから、売り上げ金額とか経費を操作して税金を誤魔化そうとする。
一方、無申告事案は、申告しないんですから、売り上げ金額とか経費を操作して税金を誤魔化そうという仮装・隠ぺいという行為自体が必要ないんですよね。

 

私も、国税調査官時代に申告した人が税金を誤魔化して重加算税を掛けられるんであれば、無申告者は、もっと悪いんだから全額が重加算税を掛けるべきだろうと憤慨しながらみんなで話したことがありましたね~。

 

ですが、今の罰則の規定として重加算税対象になるのは、「仮装・隠ぺいがあったもの」が基本ですから、仮装・隠ぺいをしていない無申告者に重加算税を掛けるのは本当に難しいんですね。

税金が掛かる・掛からないのギリギリの人は別として、徳井さんみたいに、明らかに申告をしなければならない人が無申告の場合もある訳ですから、私はですね~、やはり重加算税を掛ける対象者に「無申告者」という項目を入れるべきだと思いますね。

今回の徳井さんの税金問題では、期限後申告をしてもうキチンと税金を納めていらっしゃいますんで、これ以上、余程の新たな新事実がない限り、青汁王子みたいに、告発であるとかの刑事事件には発展しませんが、タレントさんとしてのイメージには、かなり大きなダメージを負ってしまったな~と思いますね。

 

今日は、チュートリアルの徳井さんの税金問題から見る無申告の人に重加算税を課すことの難しさについてお話ししました。

 

 

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秋山 清成
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