嫌いな兄弟に財産を渡したくないなら〝遺言書と養子縁組〟で対策を!【遺留分侵害額請求】
もしも亡くなった方に「子供」や「両親」がいない場合、
亡くなった方の財産は兄弟姉妹に相続されます。
兄妹仲が良い場合でしたら何も問題はありませんが、
もしも兄弟の関係が良好ではなく、自分が亡くなった後の財産を兄妹に渡したくないと思った時には、
一体どうすればいいのでしょうか?
今日はそんな疑問の解決策として、
「遺言書」と「養子縁組」を使った遺産分割方法をご紹介します。
ソリの合わない兄妹に財産を渡したくないなら「遺言書」と「養子縁組」
私の事務所に来られるお客さんの中には、
・あの兄弟には財産を渡したくない!、とか、
・「兄弟姉妹間」の仲は良かったんだけど、顔を見たこともない甥や姪には財産を渡したくない!
と言われる方もおられます。
実際に、お金のことで兄弟仲が悪くなるというケースも、残念ながら意外と多くてですね、
じゃあ、もしも皆さんがそんな時に、そんなに嫌っている「兄弟姉妹」、交流のない甥姪に、
財産は1円たりとも渡したくない!、と思った場合にはどうすれば良いのか?
ズバリですね、その方法は2つありまして、
・1つ目は「遺言書」を遺すこと。
・そして2つ目は「お気に入りの甥・姪を養子にする」ということです。
では詳しく説明して行きます!
対策①「遺言書」を遺す
まず1つ目の「遺言書を遺す」、についてなんですが、
この事を説明する前に、「遺留分侵害額請求」という物についてですね、軽くご説明をしますと、
この「遺留分侵害額請求」というのは、
たとえば相続人が配偶者と子供、あるいは配偶者と親だった時に、
亡くなった方が生前に「財産は全て妻に相続させる」という遺言書を遺していたとします。
そうすると財産が貰えなかった子供、あるいは親は、遺留分侵害額請求をすることで、
一部例外はあるんですが、各人法定相続分の2分の1までは、亡くなった方の財産を相続出来るようになるんです。
そして、ココがポイントなんですが、
法律上「兄弟姉妹」には「遺留分の権利」は・・ありません。
ですから「妻に全ての財産を相続させる」、という遺言書を作成すれば、
「兄弟姉妹」には財産は行かないんです!
ですがもしも「兄弟姉妹」の内、
「弟には財産を渡したい」ということであれば、財産を限定して、
・妻には、住んでいる家と現金預金3,000万円、
・弟には、現金預金2,000万円を相続させる
という様な遺言書を作成すれば、
限定した「兄弟姉妹」には、財産を渡すことが可能です。
対策②「お気に入りの甥・姪を養子にする」
次に2つ目の「お気に入りの甥・姪を養子にする」という部分ですが、
兄弟姉妹の子供たち、つまり「(お気に入りの)甥・姪を養子にする」とですね、
相続人は妻と、養子にした甥・姪となりまして、
この養子にした甥・姪は、あなたの「子供」ということになります。
子供がいる場合には、「兄弟姉妹」には相続権がない訳ですから、
「兄弟姉妹」に対して、財産が渡ることを防げます。
子供がいないご夫婦の場合ですと、身内だけの相続問題では無く、
両家の親族間でも相続争いに発展することがありますから、
もしご夫婦に子供がいない場合には、
「自分達にもしものことがあった場合、相続の問題はどうなるんだろう?」
ということを良く考えられて、お元気なうちに、対処されておかれることをお勧めします。