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相続における『特別の寄与』で、本当に無償の介護は報われるのか?

 
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秋山 清成
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今回40年ぶりに民法(相続法)が改正され、

〝特別の寄与〟という新しい制度が生まれました。

そしてこの制度により被相続人(亡くなられた方)を生前に無償で介護や看病をしていた人は、

亡くなった方の遺産の分配を相続人に対して請求することが出来るようになったのです。

 

この改正について最近は連日、新聞や雑誌及びテレビなどで大きく取り上げられています。

しかしこの〝特別の寄与〟が出来たことによって、

生前に亡くなった方の介護に無償で携わっていた人は、本当に報われる(自分の奉仕に対しての対価が得られる)のでしょうか?

 

私個人の意見としては、相続現場の実態から鑑みると決して〝特別の寄与〟は、

テレビや雑誌が大騒ぎするようなものではない!と思うのです。

今回の記事では、私が特別の寄与に対してそのように思う根拠を書いて行きたいと思います。

 

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特別の寄与とはどんな制度?

まず初めに、特別の寄与とはどのような制度なのか?

それを見て行きましょう!

という制度です。

 

上記①の「相続人ではない親族」とは具体的にどういう人かというと、

「OO家の長男と結婚し、OO家の親族となったお嫁さん」などを指します。

 

遺産を請求できる=介護の苦労が報われる?

上記の制度の内容を踏まえると、現在夫の両親の介護を行っている人には朗報ですよね。

介護を行っている人が亡くなれば遺産の分配を受けることが出来ますし、

何よりも今までは無償奉仕だったものが有償になりますので、ある面においては励みにもなると思われます。(無償だからしない、有償だったらするというその様な問題ではない、当然の義務と思っておられる殊勝な方も勿論おられるとは思いますが・・・)。

 

あなたが手に入れたのは「相続権」ではありません

しかし!

よくよく考えてみてください!

新聞や雑誌などでは、『これで介護をする人が報われる』などと騒いでいますが、これで本当に報われるのでしょうか?

 

と言いますのは、介護をした人に〝相続権〟が与えられた訳ではないのです。

あくまで介護人は、亡くなった方の財産を相続した人達に対し

「私は、故人の介護をしたから故人の遺産をください。」

と、〝相続人に対して金銭を請求する権利〟が発生しただけなのです。

 

「相続権」と「相続人に対して金銭を請求する権利」の違い

もう少しかみ砕いて説明しますと、「相続権」が与えられるのであれば亡くなった方の遺産を自動的に相続する権利がある訳ですが、

今回の改正内容は「相続人に対して金銭を請求する権利」が認められた訳です。

この「相続権」と「相続人に対して金銭を請求する権利」の意味合いは全く別物なのです。

 

想像してみて下さい!

被相続人(亡くなった人)を生前に介護していた長男の嫁が、

故人の財産を相続した相続人の人達に対し、

「私は故人の介護を3年間もやりました。つきましては、あなたに〇〇〇万円を請求します。」

と言う訳です。

この申し出に対して

「はい、分かりました。〇月〇日に銀行に振り込みます。」

と、相続人が素直に応じるでしょうか?

 

血を分けた相続人の間でさえ相続問題が多発する昨今において、そこに財産請求を求める〝あなた〟が参入する訳です。

素直に支払う人が何人いるでしょう?

 

残された選択肢は「諦める」か「裁判をするか」の二つです。

支払わない人がいたらどうしますか?選択肢は「諦める」「裁判をするか」の二つです。

「諦める」は簡単ですが、あなたは裁判までしますか(望みますか)?

 

裁判までするのでしたら、裁判は証拠主義ですから「介護をした事実」を証明しなければなりません。

ですが、日頃から介護に追われて「介護をした事実」などの全ての証明(記録)を付けるのは大変ですし、

行くところまで行ってしまったら裁判で夫などの兄弟姉妹の親族と争うのです。

 

すごい労力と精神力、弁護士に支払う報酬が必要になります!

果たしてあなたは耐えられるでしょうか?

 

おわりに

今回の改正で、相続が発生した場合において、改正内容を踏まえて事前に介護をして来てくれた人への金銭を用意されるご奇特な相続人もおられるとは思います。

ですが「実家の親の面倒は実家の嫁が見るのは当たり前!」と、

「自分の義務」は忘れて「自分の権利」ばかり主張する人も多い今の社会で、

 

特別の寄与の権利部分はまだまだ弱い!

と思うのは私の穿った見方でしょうか。

 

今回の民法改正は一応の評価はしますが、実態から鑑みるとテレビや雑誌が大騒ぎするようなものではないと思う訳です。

 

 

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秋山 清成
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