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【解説】お金の相続と土地の相続ならどちらを相続した方が得なの?

 
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秋山 清成
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相続が発生した場合には、亡くなった方の財産を
・遺族の内の誰が、どれだけ相続するのかという

遺産分割協議という話し合いをするんですが、

 

この時に必ず出て来る財産として現金預金と不動産があります。

今日はこのお金と土地の相続を比較した場合、

あなたはどちらを相続した方が得なのか?というお話をしてきます。

 

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もしあなたが

・相続税評価額1億円の土地と
・現金1億円

このどちらかしか相続出来ないとしたら、あなたはどちらを選択するでしょうか?

一見2つの財産価値は同じ1億円に見えますが、実はこの現金と土地の実際の価値は同じ1億円ではないんです。

どういうことかと言いますと、

・まず土地を相続する際には、その土地の価値を相続税の評価で計算します!
ですが、この土地の相続税の評価というのは、通常の取引価格の80%で計算されているんですね。

ということは、1億円の相続税評価の土地であれば、本来なら、1億2,500万円の価値があることになるんです。

一方で、お金というのは
・土地のように価値の上がり下がりもなく
・1億円なら1億円の価値のままです。

さて!もう一度質問です。
この土地とお金、相続税の評価上は同じ一億円の価値なんですが、
もしもあなたがどちらかしか相続できないのなら、
・1億2,500万の土地と、
・1億円の現金、

どちらを相続した方がお得だと思いますか?

今からその判断のポイントを話して行きます。

 通常、財産を相続する場合には、

・土地や建物などの不動産よりも、
・現金や預貯金などを相続したいと思っている相続人の方が大半です。

これは私が税務職員時代の話なんですが、遺産相続について揉めている兄弟がいました。

・相続人は兄弟二人で
・お兄さんが相続税評価額1億円の不動産を相続して
・弟さんが1億円の預貯金を相続していたそうです

 弟さんの主張は


・不動産を相続する時の価格は
・路線価を基に計算することになっていて、
・路線価は、通常の取引価格の80%で計算していると聞いた!

ということは、
・私は預貯金1億円を相続したから、
・1億円は1億円のままなのに、

・土地の1億円は、
・実際は1億2,500万円(1億円を80%で割り戻した金額)の価値があるじゃないか!

だから兄さんは、私より2,500万円も多く相続したことになるから、
その半分を自分にくれ!!』というものでした。

まぁ一見すると、弟さんの主張にも一理ある様に感じますよね。
お金と土地を実際の価値で計算すると、
土地の方が2,500万円も高いんだから、

1億円しか相続出来ない自分の方が不利だと、弟さんが言われるのも分かります。

しかしですね、この問題はそう簡単なものではないんです。

どういうことかと言いますと、
土地をお金に変えるには
・所得税や
・不動産業者への仲介手数料などが掛かりますから、
・お兄さんが1億2500万円の土地を売ったとしても、
・お兄さんの手元には1億2500万円全額が、そのまま残る訳ではないからです。

ちょっと詳しく見て行きますね!

 相続税の土地の評価上、路線価は
・国土庁などが発表する公示価格や
・基準地価格を基準として
・八十パーセントで評価されています。

 この公示価格というのは、
・売買価格の指標となるものですから、
・理論上は、お兄さんが相続した1億2,500万円の不動産は
・相続評価では1億円になっています。

しかし、預貯金の1億円はそのまま一億円ですが、土地をお金に換えようとすれば土地を売却しなければいけませんよね。

そうすると、
・売却には不動産業者に払う費用が掛かったり、
・税金が掛かったりします。

となると、土地の価値は1億2,500万円のままではありません。

土地を売却したときに税金がどれくらいかかるのか。と言うと、まずこれは譲渡所得税の対象となるんですね。

譲渡所得の計算方法は
・売却価格から購入価格を引いて、
・譲渡所得の税率を掛けます

一般的な家庭ですと、相続する土地は先祖代々の土地が多いものですから、
・購入価格が分からなかったり、
・無いに等しかったりしますよね。

こういった場合でも、先祖代々からの土地であれば、売却した金額の5%を購入価格として差し引く事が出来ますから、売却価格が1億2500万円とすれば差引ける購入価格は625万円です。

先祖代々から所有している土地を売却したら 
・長期譲渡所得になり(相続は亡くなった方が購入などした時期を引き継ぎます)
・税率は所得金額の20パーセントとなります。
(国税:15パーセント、地方税:5パーセント)

不動産の譲渡所得に関する税率は所有期間によって異なり、
不動産を売却した年の1月1日時点で所有期間が
・5年以下であれば、短期譲渡所得で39.63%(所得税30.63%、住民税9%)、
・5年超であれば長期譲渡所得で20.315%(所得税15.315%、住民税5%)です。

ですから、お兄さんが土地を売却したときに掛かる税金(譲渡所得税)は2,375万円になり、

1億2,500万円から譲渡所得税を差し引くと、ほぼ一億円となります。

こうなると、弟さんが相続した1億円のお金とほぼ同額になりますが、土地を売買するには不動産業者に仲介を依頼する事が一般的ですから、お兄さんが土地を売却するとなると、

さらに不動産業者への仲介手数料も約381万円必要になり、お兄さんの手元に残るお金は9,744万円になります。

どうでしょう。
弟さんの主張では、

・預貯金1億円を相続した自分より
・1億2500万円の価値がある不動産を、相続税評価額1億円で相続した兄の方が得をしている!
との事でしたが、

実際には、お兄さんは弟さんと逆の立場となり、
弟さんの主張は藪ヘビになる可能性があります。

ただし、この土地が先祖代々の土地ではなく、
亡くなられたお父さんが1億2500万円以上で購入されていた場合には、

この土地の利益はありませんから、
譲渡所得税は課税されないことになります。

また、この土地の上に建物があって、お兄さんが住んでおられる場合には、
居住用資産となり、その場合、

売却すると三千万円の特別控除もあるなど、
ケースバイケースで税金の額も変わって来るんです。

ですからお兄さんが相続した土地というのは、
実質的には相続税の評価額を80%で割り戻した金額の価値がある! 
という事は言い切れないんですね。

いずれにせよ、
相続争いにおいては、相手がこの様なことを言って来る場合がありますので、

反論材料を持っておかないと、相手の主張に屈してしまう恐れもあります。

ですので、このことを頭に入れておかれるなり、
若しくは具体的にことが起きましたら、相続の専門家に相談されるのが良いでしょう。

ちなみに私ならですが、土地の金額より、
現金・預貯金の金額の方が少々少なくても、

不動産を相続すれば、後々の管理や固定資産税、売却するとなれば仲介業者の選定、譲渡所得の申告など、もろもろの手間が掛かりますので、

現金・預貯金の方を相続すると思います。

 

 

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秋山 清成
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