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一般家庭こそ絶対に知っておくべき!遺留分争いが起こる原因とその回避方法を解説

 
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秋山 清成
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皆さんは『遺留分』という言葉を聞いたことがありますでしょうか。

 

遺留分というのは、

・亡くなった方が作成した遺言書の内容に一方的な偏りがあった場合、

・相続財産を受取る権利を侵害された相続人が、財産を多く受取った相続人に対して、

・自身の法定相続分の半分までの財産を金銭(原則)で要求することが出来るという権利です。

 

もう少し具体的に、こちらの家族をモデルに見てみますと、

・今回亡くなったのは一家の母親で、

・父親は既に死亡、

・相続人は長男と長女、次女の3人です。

 

母親の相続発生後、兄妹3人は母親が生前に作成していた遺言書の中身を見るのですが、そこには『私の財産はこれから家を守って行ってもらう長男に全て相続させる』という内容の遺言が書かれていました。

 

その内容を見た長女と次女は「そんな一方的な遺言があるもんですか!私達は預金と不動産の1/3相当分のお金を均等に貰います!」と主張しますが、

遺言書が有る場合、長男を含めた相続人全員の合意が無い限り、遺言の内容を変えることは出来ません。

つまり、結果的に母親の財産1億円は長男が全て相続することになるんですね。

 

しかしこれではあまりに不公平だということで、各相続人に認められている権利が「遺留分」なんです。

 

そしてこの遺留分の権利を長女と次女が行使する場合、

・一旦お母さんの財産1億円を全て相続した長男に対し、

・自身の遺留分である「法定相続分1/3の半分」を、長男に対して金銭債権で請求し、長男から金銭を受取ることが出来るという訳です。


さて、ここまでが遺留分についてのザックリとした概要となるのですが、ここまで聞いてこられた皆さんは、

「遺留分なんて問題が出て来るのは、財産が億を超える様な家庭だけでしょ!」

「私達みたいな一般家庭には関係ないよね」と、こう思われた方もいらっしゃるでしょう。

 

ですがこれは全くの勘違いなんです。

実は遺留分の問題が発生するのは、資産家の家庭よりもむしろ相続税が掛からない様な一般家庭の方が多く、更に今後はこれまで以上に、一般家庭における遺留分問題が発生する可能性が高いんです。

ですので今回の記事では、

①一般家庭の方が遺留分争いが起こりやすい理由

②遺留分の概要

③遺留分を請求する際の流れ

④遺留分争いを回避するための〝3つのポイント〟

という4つのテーマについてお話します。

 

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記事を読みたい方は、このまま下に読み進めて下さい。

 

①一般家庭の方が遺留分争いが起こりやすい理由

ⅰ遺言の種類と自筆証書遺言管理制度

まず大前提として、遺留分の問題というのは、

「相続人の長男に対して財産の全てを相続させる」といった内容や、

「愛人に対して財産の8割を相続させる」といった様に、偏った内容の遺言書が作成された場合に発生します。

 

つまり亡くなった方が生前に『遺言書』を作成していた場合に限り、遺留分に関する問題が起こるんですね。

 

その上で、遺言には代表的なモノとして、

筆証書遺言と、

・公正証書遺言というものがるのですが、

 

筆証書遺言というのは、

・遺言者自身が日付や内容を書き記し、署名・捺印をするのに対し、

 

正証書遺言というのは、

・法律のプロである証人と2人以上の証人の立会いの下で、

言者が遺言内容を公証人に伝え、それを証人がまとめ、

・遺言者と証人が付・内容を確認し、内容に間違いがなければ、遺言者が名・捺印を行います。

 

この両者の違いを見て貰えば分かる様に、

自筆証書遺言というのは、

言者一人の判断で作成出来てしまうため、

容に関して誰かが注意喚起(アドバイス)をする機会もありません。

 

そのため自筆証書で作成された遺言というのは、公正証書遺言に比べて『った内容の遺言』になる可能性があり、それが後の留分の問題に発展して行くんですね。

 

ⅱ自筆証書遺言と公正証書遺言の割合

その上で、自筆証書遺言と公正証書遺言は、現代においての程度の割合で利用されているのかと言いますと、

務省が公表した平成29年度の資料によれば、

アンケートに回答をした全国の55歳以上、約7,600人の内、

・自筆証書遺言を作成したことのある人の割合は体の4.3%(328人÷7,658人)、

・公正証書遺言を作成したことのある人の割合は体の3.9%(293人÷7,658人)となっており、

平成29年度(2017年)時点においては自筆証書遺言を作成している方の方が多いです。

 

その上で、後自筆証書遺言を作成する意向はあるかという質問に対し、

筆証書遺言を作成したい、

・どちらかといえば自筆証書遺言を作成したいと答えた方が、全体の 20.1%(1,538人÷7,658人)となっています。

 

つまり先程の、

・既に自筆証書遺言を作成したことのある人が全体の4.3%、

・(多少なりとも)これから作成する意向がある人が全体の 20.1%ですので、

日本に住む55歳以上の方の実に1/4(24.4%)程度が、平成29年度時点において自筆証書遺言を作成する意思(可能性含む)があったということが窺えます。

 

その上で、令和2年(2020年)7月10日から新たに『自筆証書遺言保管制度』が導入されたことにより、従来まで筆証書遺言を作成する際のハードルとなっていた、

・手書き作成の煩わしさや、

族による改ざん、紛失のリスク、

認手続きに時間が掛かり過ぎることや、

式不備による遺言無効のリスク等が、る程度緩和されることになったんですね。(※まだまだ『自筆証書遺言保管制度』自体にも課題はありますが・・・)

 

つまり今後、この『自筆証書遺言保管制度』の認知度が上がるにつれてった内容の『自筆証書遺言』を作成する方の割合がこれまで以上に増えることが予想されるんです。

 

ⅲ 自筆証書遺言を作成する人の財産額

ではここからが重要なんですが、

・今後更に活用されていくであろう自筆証書遺言を、

・実際のところ、れくらいの財産を持ってる方が現在活用している、若しくは活用したいと思っているのでしょうか。

もう一度、法務省が公表している資料をもとに見て行きましょう。

 

こちらは全国の55歳以上、約7,600人の中から、

際に既に自筆証書遺言を作成している方、

・また今後作成予定の方を1,000人選び、

その人たちが言書に幾らの財産額を記載したのか、又は記載する予定かを質問した結果となります。

 

多くの場合、遺言書には自分の全財産の分け方を記載しますので、『遺言に記載(予定)の資産規模』というのは、そのまま『の方の財産総額』と考えて良いでしょう。

 

その上でこのグラフを見ますと、自筆証書遺言を作成している方・今後作成をしたいと思っている方のに6割以上が、総財産額3,000万円未満である事が分かるんです。

 

どうでしょうか。

皆さん「ウチみたいな続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下の家庭では、

言書の作成なんて滅多にしないだろうし、

言書を発端とした遺留分争いなんて関係ないだろう」と思いがちなんですが、

実際に自筆証書遺言を作成される方というのは、

・財産額3,000万円未満の方が6割、5,000万円未満の方が8割なんですね。

 

ですので、

「もしかしたら私も将来、偏った内容の遺言書が原因で遺留分争いに巻き込まれるんじゃないか?」と、〝留分〟についての問題を先ずは自分事に置き換えて頂き、

次の章で解説する概要や請求の流れ、将来的に遺留分争いを発生させないために気を付けるべきポイントについて見て頂ければと思います。

 

その前に一度ここまでの話を纏めますと、

1⃣遺留分の問題というのは、偏った内容の『遺言書』が作成された場合に発生する。

2⃣遺言書には大きく分けて自筆証書遺言と公正証書遺言があるが、第三者の目を通さない自筆証書遺言の方が偏った遺言内容になりやすい。

3⃣その上で令和2年(2020年)7月10日から導入された『自筆証書遺言保管制度』の認知度が上がる事で、これまでよりも自筆証書遺言を作成する人の割合が増えることが予想されるが、

4⃣『自筆証書遺言保管制度』を利用しても、

・法務局のチェックが入るのは、あくまでも遺言書の形式面のみで、

・偏った内容に関する注意喚起やアドバイス等は従来通り一切行われない。

5⃣また自筆証書遺言を作成している方(作成したいと思っている方)を調査すると、

・その6割以上が総財産額3,000万円以下なので、

・遺言書を発端とした遺留分争いというのは、一般家庭の相続人こそ『自分事』と受け止めて知識を付けておく必要がある。

このような内容となりました。

 

ここまでを前提とした上で、次の章を見て行きましょう。

 

②遺留分の概要

ⅰ制度

まず遺留分というのは、冒頭において、

・亡くなった方が作成した遺言書の内容に方的な偏りがあった場合、

続財産を受取る権利を侵害された相続人が、財産を多く受取った相続人に対して、

身の法定相続分の半分までの財産を金銭(原則)で請求することが出来る権利であるとお話しました。

 

ではこの遺留分の請求は、亡くなった方の法定相続人であれば、誰でも請求することが出来るのでしょうか?

結論としては、亡くなった方の法定相続人全員が遺留分の請求を出来るわけではありません。

 

ⅱ 請求権がある人・ない人

どういうことか、まず大前提として法定相続人とは具体的に誰のことを指すのか?という部分からお話しますが、こちらの佐藤家の一成さんに相続が発生した場合、

・配偶者の燈さんはに法定相続人で、

・二人の間に子供がいれば、その供達が第一順位の相続人となります。

 

仮に一成さんが亡くなる前にさんが亡くなっておれば、さんの子供が代襲相続人として相続人となりますが、篤さん命の場合、その子供は相続人にはなれません。

 

また一成さんと燈さんの間に子供がいない場合、

・一成さんのの一徹さん、菊さんが第ニ順位の相続人となり、

 

一成さんと燈さんの間に子供もおらず、両親も亡くなっている場合は、

・一成さんの兄妹の郎さんが第三順位の相続人となるんですね。

 

さてその上で、

・一成さんが亡くなった際にった内容の遺言書が見つかった場合、

留分を請求することが出来ない相続人は誰かと言いますと、それは三順位である兄弟姉妹です。

 

つまり、一成さんと燈さんの間に子供もおらず、両親も亡くなっている場合、

・一成さんが生前に『の財産は全て妻に相続させる』という内容の遺言書を遺していれば、

・被相続人の兄妹である二郎さんには留分を請求する権利が無いという訳ですね。

 

ちなみに通常、

・一成さんに子供もおらず、

・両親も亡くなっており、

・兄妹である郎さんも亡くなっておれば、

二郎さんの子供である翔さんが襲相続人となるのですが、こと遺留分の請求に関しては、こちらの翔さんにも請求権はありませんので、覚えておいて下さい。

(※被相続人の孫には遺留分請求権はあります)

 

ⅲ 請求期限

また遺留分には、その権利を行使出来る『期限』が決まっています。

 

具体的には、

・遺留分を請求する法定相続人が、続が開始したことをった時から1年以内に、

・若しくは留分を侵害する様な贈与や遺贈があったことを知った時から1年以内に、遺留分の求権を行使しない場合、

その権利は効によって消滅することになります。

 

ですがその際、遺留分を侵害されている相続人が、

・相続が発生したことや、

・過去に特定の相続人に対して多額の贈与があったことをらないままだった場合、

その場合の求権の時効はどうなるのかと言いますと、

続開始の時から10年までは時効期間は延びますが、10年を超えると留分の請求は出来なくなりますので注意が必要です。

 

また、過去に行われた特定の相続人に対する贈与に関して、遺留分を遡って請求出来る期間は、

・被相続人の相続が発生する10年以内に行われた贈与に対してのみと決まっているので、この点も覚えておいて下さい。(※贈与者と相続人が、遺留分権利者に損害を加えることを知っていた場合は10年以上前も対象となり得ます)

 

③遺留分を請求する際の流れ

では次は、遺留分を侵害された相続人が、遺留分の請求を行い、最終的に金銭を受取るまでの流れについて、こちらの一家をモデルに見て行きましょう。

・こちらの一家の父親は10年前に亡くなっており、

・その後母親は長男一家と7年間、母親所有の自宅で一緒に暮らしていましたが、

男の転勤により、長男一家は全員で転勤先のアパートに住むことになり、

・代わりに女が母親と一緒に暮らすことになりました。

 

そしてその3年後に母親の相続が発生するのですが、母親が生前に作成していた遺言書には、

『私の財産は最期まで世話をしてくれた長女に全て相続させる』、と書かれていたんですね。

 

それを見た長男は、

んな一方的な遺言内容は受け入れられない!」

「俺はさんよりも長い間。母さんと一緒に暮らしていたのに、母さんの財産を1円も相続出来ないないて不公平だ!」と憤り、長女に対して留分の請求を行うことになりました。

 

さて、その際に長男がとる行動には、大きく分けて4つのステップがありまして、

 

ⅰ相手側への通知

まず第一段階は相手側への通知ですね。

程もお話した通り、遺留分を侵害された側は、相続が開始したことを知った時から1年以内に、遺留分の権利を行使する必要があります。

 

ですので長男は、相続開始1年以内に長女に対して「遺留分を支払って下さい!」という通知を送る必要があるんですが、

の時に大切なのが、通知は必ず送日の確定日付が付く『内容証明郵便』で送ることです。

 

何故ならこの内容証明郵便を利用することで、

手方に送ったものとじ内容の書類(通知)が郵便局と自分の手元に残りますので、

から相手方に「遺留分の請求時期は時効の後だった!」と言われるリスクを回避することが出来ます。

 

ⅱ話し合い

さて、第一段階で相手方に通知を送った後は、回の遺留分請求額を踏まえて相続人同士で話し合いを行うことになります。(※この段階ではまだ公的な機関などは介さない)

 

この段階で無事に遺留分に関する合意が行われましたら、あとは両者間で「留分侵害額についての合意書」を作成し、

・長女はその内容に従って男に金銭を支払い、

男はその金銭を受取れば無事に遺留分請求に関する話し合いは終了です。

ですがその際、遺留分に関する話し合いが纏まらない場合、2人の争いは次の『遺留分侵害額請求調停』に進むことになります。

 

ⅲ遺留分侵害額請求調停

遺留分争いが泥沼化した場合、当事者同士の話合いでは埒が明きません。

ですのでその場合には、

・遺留分を侵害された長男が、

留分を請求する相手側(長女側)の住所地を管轄する家庭裁判所に対して、

留分侵害額の請求調停」を申し立てることになります。

 

調停を申し立てると、裁判所の調停委員が、

・『留分を請求した側』、『留分を請求された側』に1名ずつ入って合いを進めてくれますので、

立している相手と直接話をする必要がなくなり、が纏まり易くなります。

 

具体的には、遺留分を請求された側の長女が調停委員に対して、「私は絶対に遺留分を払いたくない!」と言っても、

・「男側には遺留分を受取ることが出来る法的な権利があるから払わざるを得ない」と説明を受けることで、

・最終的に遺留分侵害額の合意がなされることになり、調停が成立し、金銭の支払いが行われることになります。

 

ですが、裁判所の調停委員が間に入っても話合いが纏まらない場合は、男は最終段階として、遺留分侵害額請求訴訟を起こすことになるんですね。

 

ⅳ遺留分侵害額請求訴訟

その際長男は、亡くなった方が最後に住んでいた住所地を管轄する裁判所で『留分侵害額請求訴訟』を提訴することになります。(※相手方と合意した裁判所でも可)

 

この段階まで来ますと、これまでの話合いや調停とは違い、

事者間での合意は必要なく、

裁判所が下した判決で 遺留分侵害額が決まります。(※裁判中の和解も可能)

裁判は証拠主義になりますので、長男も長女も自分が留分を侵害された、又は留分を侵害していないという正当な証拠を提出することになります。

 

遺留分侵害額請求訴訟まで発展した場合は、

互いに弁護士に証拠の収集や資料の作成を依頼することになりますし、

・当事者双方がお互いに張と立証を繰り返し行う必要もあるので、裁判は長期化することになります。

 

この様に、一度遺留分争いが起こり最悪その争いが裁判にまで発展すると、当事者となる相続人達は金銭的にも体力的にも、とても疲弊することになるんですね。

 

ですので最後の章では、被相続人が亡くなった後、遺された相続人達が遺留分を巡って争わないで済むように、

遺言を遺す側が生前から取っておくべき遺留分争いを回避するための〝3つのポイント〟について解説をしていきます。

 

④遺留分争いを回避するための〝3つのポイント〟

ⅰ 遺留分を侵害しない遺言書を作る

ではまず、生前から取っておくべき遺留分争いを回避するためのポイント1つ目は、『遺留分を侵害しない遺言書を作る』というものです。

 

そもそも遺留分争いというのは、偏った内容の遺言書があることで発生しますので、まず遺言を作成する際には、

・自分に相続が発生した場合、一体誰が法定相続人になるのか、

・そして各相続人の法定相続分の割合は幾らになるのか、という部分をしっかりと理解して頂いて、その上で遺言書を作成して頂ければと思います。

 

やはり皆さん「年老いて弱った自分に寄り添ってくれている相続人には、沢山の財産を渡してあげたい!」と、この様に思われるのですが、そのせいで遺された相続人間で泥沼の遺留分争いが発生してしまうというのは、財産を遺す方も本意では無いですよね。

その為にも、今回の記事でお話して来た内容を踏まえて、極力遺留分を侵害しない配分で遺言書を作成される方がベターです。

 

ですがその上で、「やはり特定の相続人には他の相続人よりも多く財産を渡してあげたい!」という場合には、この次に紹介する生命保険金を活用するという方法もあります。

 

ⅱ遺留分争いに備えて生命保険を活用する

生命保険金というのは、

命保険の契約者、つまり険料を支払っている人と

・生命保険の保険者、つまりこの人が亡くなった場合に険金が下りるという人、これらが相続人で、

・生命保険金の取人が相続人以外の場合、受取人が受け取る生命保険金というのは、取人固有の財産となります。

 

ですので、この契約形態で受取った生命保険金は、

産分割の対象にもなりませんし、

言書に記載する必要もありません。

 

更に、この契約の形を取っていた場合で、取人が法定相続人の場合、受取る生命保険金には『500万円×法定相続人の人数』までの非課税枠が設けられているんですね。

 

つまり先程の家族の場合、父親が身の回りの世話をしてくれていた長女に対して、他の相続人よりも多くの財産を、留分争いを回避する形で渡そうと思えば、

まずは自身の預金4,500万円の内から、生命保険金が非課税になる1,500万円までを、長女を受取人とした保険に変えておきます。

この時の保険の契約形態は、

約者:父親

保険者:父親

取人:長女としておきます。

そうすることで父親の財産は、金3,000万円、動産2,500万円、価証券2,000万円となり、計7,500万円です。

 

その上で父親は、子供達が将来遺留分争いをしないよう、遺言書に、

「自分の財産は、女に動産2,500万円、価証券2,000万円、金500万円を相続させる。」

女と女にはそれぞれ、金1,250万ずつを相続させる」と、この様に記載すれば良いんですね。

 

そうすることにより長女は、親の生命保険金1,500万円と合わせ、合計6,500万円分の財産を受取ることが出来る訳ですが、

・先程もお話した様に、この生命保険金は女固有の財産ですから、留分の請求対象にも該当しませんし、

・その上で女・三女共に、遺留分の上限額である1,250万円を父親から受け取ることになりますので、女に対して遺留分の請求をすることは出来ない、という訳です。(※被相続人の財産額に対して生命保険金の割合が高すぎる場合は、この限りではありません)

 

ⅲ 遺言書の付言事項や終活ノートでメッセージを残す

最後に、生前から取っておくべき遺留分争いを回避するためのポイント3つ目は、『遺言書の付言事項や終活ノートでメッセージを残す』というものです。

 

相続発生後の遺留分争いを防ぐためには、遺言書や終活ノートに、「皆にはどうか遺留分のことで争わないで欲しい」という想いと、「今回なぜこの様な財産配分を行ったのか・・・」という具体的な理由を記載することも重要です。

 

この方法自体には法的な効力は一切ありませんが、それでも遺言書を作成するに至った経緯や事情などを書き残しておくことで、遺留分争いの回避に繋がる可能性もあります。

 

ですが、例えこういった想いの籠ったメッセージであっても、やはり生きている間の本人の言葉には適いません。

ですのでもし可能であれば、

・遺言書を作成する際には相続人全員の顔を見て、

・それぞれの意見も聞きながら、

・その上で、「自分はこういった思いで特定の相続人に対し少し多めに財産を遺したい」と、この様に伝えてあげることこそが、将来の遺留分争いを回避する何よりの方法だと思います。

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秋山 清成
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