あなたの財産は丸裸!?国税OBが語る調査選定の手法(相続編)

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秋山 清成

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    平成27年より前は相続税の掛かる方は本当に少数で、亡くなられた方が100人いれば、そのうち4人程に相続税が掛かっていました。しかし、平成27年1月1日以降は基礎控除が約4割減り、一般のサラリーマンでも相続税が掛かるようになったのです。

     

    さて、「相続税は一部のお金持ちに掛かるもの」が、皆さんの「身近な税金」になったわけですが、そうなると

    相続税の申告だけでも悩ましいのに、

    「苦労して申告を済ませても、相続税の調査が来るんじゃないか!?」

    と言うところも気になるのではないでしょうか。

     

    本日は、税務署がどのように皆さんの元に調査に行くかを決める【調査選定の手法】についてお話したいと思います!

     

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    調査選定の手法

    ①故人が蓄財できたであろう財産の目安をつける

    相続税が掛かるような方は、過去に何らかの税金の申告をされています。

    その申告内容から

    ➡大体の収入を割り出し、

    ➡生活費や支払ってきた税金を差し引いて

    ➡蓄財できた財産を計算します。

    収入ー生活費ー税金=蓄財できた財産

     

    例えば10年以上働いていた方がいらっしゃったとすると、過去の申告内容から

    「この人の収入なら10年以上で、5,000万円は蓄財できただろう」

    と、目安をつけるのです。

     

    ②KSKシステムで大きな買い物の情報を確認する

    税務署にはKSKシステム(国税総合管理システム)と言うものがあり、このシステムの中には、

    皆さんが過去にした大きな買い物

    • 家を建てた
    • 土地を買った
    • 2,000万円の物を買った

     

    などの情報が登録されています。

    ここに登録されている情報を元に、

    ➡①で計算した蓄財できたであろう財産から

    ➡大きな買い物の金額を差し引くと、

    ➡だいたいの相続財産がいくらかになるかが分かります。

    蓄財できた財産ー大きな買い物=残りの財産(相続財産)

     

    ③相続税の申告書と税務署で計算した相続財産を比較する

    次は、提出された相続税の申告書と②で計算した残りの財産を比較します。

    • 蓄財できた財産 5,000万円
    • 大きな買い物 2,000万円

    だったとすると、

    残りの財産は3,000万円くらい。申告書にも同じくらいの財産が記載されている筈ですが・・・

    申告書には預金が1,000万円しか記載されていない。「あれ?」となる訳です。

     

    ④金融機関に相続人の預金を照会する

    申告書の内容と②で計算した財産に大きな差があれば、金融機関に相続人の預金照会を行います。

    配偶者の預金額を見ると、あまり預金を持っていない。

    ところが、子供の預金を見ると、まだ若いのに異常に預金を持っている。

    「ひょっとしたら、子供に預金が流れて行ったのでは?」と考え、【贈与税の申告書】がきちんと提出されているかを確認します。

    しかし、贈与税の申告書も提出されていない・・・

    そうなると、

     

    「ちょっと解明してみようか」と言う事で調査選定にする訳です。

     

     

    税務署は大概のお金の流れを把握しています!

     

    ②で紹介したKSKシステムには、故人の支出となる大きな買い物の情報以外にも、収入に関する情報も勿論登録されています。

    税務署には、【支払調書】と言うものが届くようになっていて、これには報酬や料金を支払った事業者が

    「この人に、これだけお金を支払いました」などの情報が書かれています。

    • 金を売れば、金を買った業者から金の譲渡対価の支払い調書
    • 会社に不動産を貸していれば、借りている会社から不動産使用料の支払い調書
    • 満期になった保険金を受け取れば、保険会社からの支払い調書

    これらの支払い調書は毎年、翌年の1月末までに税務署に提出するように法令化されていて、

    「これだけお金が入ったけど、税務署には言わなきゃわからないだろう!」

    なんて考えて収入を無申告のままでいても、税務署には把握されているのです。

     

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