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【保存版】相続が発生した際に相続人が公共機関や金融機関で集めなくてはいけない書類

 
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秋山 清成
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家族に相続が発生した際に、多くの方が直面する問題の一つとして、『相続税の申告手続きには一体どの様な書類が必要なのか』というモノがあります。

 

この『相続税の申告手続きを行う為に必要な書類』に関しては、
・亡くなった方の自宅で集めることが出来る書類と、
・公共機関や金融機関で取得しなければいけない書類とに分かれており、

前回の記事では主に、『亡くなった方の自宅で集めることが出来る書類とその集め方』について詳しく解説をしました。

 

ですので今回は、相続が発生した際に『相続人が公共機関や金融機関で取得しなければいけない書類とその集め方』についてお話をして行きます。

具体的な内容としては、
①市区町村役場で集める書類
②法務局で集める書類
③銀行で集める書類
④証券会社で集める書類
⑤保険会社で集める書類
⑥年金事務所や老人ホームで集める書類となります。

集める順番においても、基本的に①から順番に集めて行って貰えば、スムーズに書類が集まりますので、一つずつ見ていきましょう。

①市区町村役場で集める書類

まず始めに相続人の方に集めて頂きたいのが、市区町村役場で揃えることが出来る「戸籍関係」の書類です。

と言いますのも、相続の手続きを行う場合、
・亡くなった方の法定相続人は誰か?何人いるのか?という部分を確定させるために、
・被相続人が生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍情報が必要になるんですね。

 

その為に必要なのが、
・亡くなった方の戸籍謄本や除籍謄本(被相続人の死亡後10日以上経過してから作成されたもの)、
・それと改製原戸籍という書類になります。

 

順番に見ていきますと、
亡くなった方の戸籍に配偶者の方や未婚の子供さんが在籍している場合には、現在の本籍地がある市役所で『戸籍謄本』の取得が必要となり、

 

逆に、
・被相続人の方が既に配偶者を亡くされており、
・子供達も結婚して戸籍を抜け、
・もうその戸籍には誰も在籍している人がいなくなった。

こういった場合には『除籍謄本』を取得する必要があります。

 

また、被相続人の方が過去に本籍地を転籍していた場合、
この場合にも転籍前の市役所で被相続人の『除籍謄本』を取得する必要があるんですね。

その上で、戸籍謄本というのは法改正により何度か様式が変わっておりまして、
・新しい様式に合わせて戸籍が改製された時点よりも、
・さらに前の古い戸籍情報というのは、現在の戸籍(除籍)謄本には記載されておりません。

 

ですので、被相続人の方の出生から死亡までの連続した戸籍情報を集める場合、

現在の戸籍(除籍)謄本に引き継がれていない古い情報は、『改製原戸籍』で取得する必要があるんです。

ここまでが、亡くなった方に必要な戸籍関係の書類となります。

 

また、戸籍関係の書類は、
・亡くなった方のものだけではなく、
・相続人の方達のものも必要なんですが、
相続人の場合は出生まで遡る必要はなく、現在の戸籍謄本だけで結構です。

では亡くなった方とその相続人の戸籍関係の書類はどうやって集めれば良いのかですが、オススメの順番としては、
①まず相続人の方の戸籍謄本を取得した後に、
②被相続人の方の戸籍関係の書類を取得して下さい。

何故なら、亡くなった方の戸籍関係の書類を請求する為には、相続人の戸籍謄本が必要になりますからね。

では順番に見ていきましょう。

 

相続人全員の戸籍謄本

まず相続人本人の戸籍謄本を取得する場合は、
・自分の本籍地にある市役所の窓口で(遠方の場合は郵送での手続きが可能です)、
交付請求書に必要な項目を記入し、
・本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポート)を提出し、
・手数料を支払えば、戸籍謄本を取得する事が出来ます。

その際に全部事項証明書(謄本)か個人事項証明書(抄本)かにチェックを入れる欄がありますので、ここは全部事項証明書(謄本)にチェックを入れて申請をして下さい。
(※画像は姫路市の窓口用のものです。各市区町村により様式が異なります。遠方の場合は、各市区町村のHPから交付請求書をダウンロードできます。)

 

ちなみにですが、結婚して親の籍を出た方の場合は、自分の戸籍謄本を見ても亡くなった親の最新の戸籍情報はわかりません。

ですが、亡くなった方の配偶者や未婚の子供の場合、その人達は亡くなった方と同じ戸籍に在籍していますので、
・自分の戸籍謄本を取得すれば、
・自分達(配偶者・未婚の子)と亡くなった方の、最新の戸籍情報を一度に入手することが出来ます。

 

この際に各相続人は自分の戸籍謄本を何通請求すればいいのか?ですが、
・それは亡くなった方の戸籍の状況や、
・亡くなった方の持っていた財産の種類・数によって、
いくつの公共機関、金融機関に戸籍謄本を提出しないといけないのか?という所が変わってきます。

 

そして、このスライドにあります様に、戸籍謄本は1通450円、除籍謄本や改製原戸籍でしたら1通750円もしますので、
・戸籍関係の書類の請求枚数が増えれば増える程、
・相続人の方の負担は大きくなってしまうんですね。

 

そこでオススメしたいのが、次の章でお話する『法定相続情報一覧図』です。

この書類を作成し、法務局で保管をして貰えば、あとはその写しを取得する事で、戸籍謄本などの必要枚数をグッと抑えることが出来る、ということを覚えておいて下さい。

 

さて、ここまでで相続人本人の戸籍謄本を取得することが出来ました。

その上で次は、被相続人の方の本籍地にある市役所で戸籍関係の書類を請求します。

 

被相続人の戸籍謄本や除籍謄本・改正原戸籍 

被相続人の方の戸籍関係の書類を請求する場合には、必要な資料が2つありまして、
①1つは先程と同様に、請求者本人の確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポート)、
②そしてもう1つが、被相続人との続柄がわかる資料となります。

 

ですので手続をする際に、
交付請求書に必要な項目を記入して、
・①の請求者本人の確認書類と共に、②の資料として先程取得した相続人の『戸籍謄本』を提出し、
・手数料を支払えば、無事に被相続人の戸籍関係の書類を取得する事ができます

 

先程のくり返しになりますが、
・被相続人の方が転籍をしていた場合や、
・既に配偶者を亡くされており、
・子供達も結婚して戸籍を抜け、
・もうその戸籍には誰も在籍している人がいなくなった。

こういった場合には『除籍謄本』が必要となり、それ以外の場合には『戸籍謄本』の取得が必要となりますので、チェックの入れ間違いに注意です。

それと、原戸籍の方にもチェックをいれておいて下さいね。

この手続きの際にも、先程と同様に『抄本』ではなく『謄本』を取得する様にしておいて下さい。

 

また、被相続人の方が出生~死亡するまでの間に、

「婚姻」や「離婚」、「養子縁組」、「転籍」・「分籍」といった様に、本籍地を変えられている場合、

一回の手続では全ての戸籍情報を取得することができない事が殆どです。

 

ですのでその場合、今回取得できた謄本に記載されている「従前戸籍」や「従前本籍」部分で前の本籍地をし、該当する地域の市役所から戸籍関係の書類を取り寄せて下さい。

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍の取得手続きに関しては、また別の記事で詳しく解説したいと思います。

 

戸籍の附票の写し

ちなみにこの交付請求書にある『戸籍の附票の写し』というのは、戸籍に記載されている人達のこれまでの「住民票の移り変わり」を記録したものでして、

この『戸籍の附票の写し』を取得しなければいけない人というのは、主にこの2つのパターンに限定されます。

一つ目のパターンは、被相続人と相続人の間で相続時精算課税制度を使っている場合ですね 。

この場合は、贈与者(被相続人)と受贈者(相続人)のそれぞれが『戸籍の附票の写し』を取得する必要があります。

 

次に『戸籍の附票の写し』が必要な2つ目のパターンは、相続税の申告の際に、小規模宅地等の特例を使う場合です。

この小規模宅地等の特例というのは、
・亡くなった方が実際に住んでいた土地であれば、
・一定の要件を満たす相続人が相続した場合、
・その土地の330㎡までを80%引きの価格で相続しても良い、というお得な特例でして、

一般的にこの小規模宅地等の特例を使う為に必要となる書類は、マイナンバーカードの写し(通知書の写し)となります。

 

ですが、
・被相続人の方が生前に老人ホームや障害者施設に入居していた場合には、
・相続人のマイナンバーカードの写し(通知書の写し)に加えて、
・被相続人の方の『戸籍の附票の写し』が必要になるんですね。
※老人ホームの施設に入居する際は、基本的に施設に住民票を移すのが一般的です。

ですので、これらの条件に当て嵌まるという方は、戸籍謄本や改製原戸籍と一緒に『戸籍の附票の写し』を請求しておいて下さい。

 

被相続人の住民票の除票

次に市役所で申請して頂く書類は、被相続人の『住民票の除票』です。

『住民票の除票』とは、
・市区町村役場で住民登録をしていた方が、
・転出届を提出したり、死亡したといった理由で、住民登録から除かれたものをいいます。

『住民票の除票』は主に、先程お話した『法定相続情報一覧図』を作成する際に必要となります。

ちなみに相続人の『住民票』に関しては、各自のマイナンバーカード(通知書)を見れば最新の住所地が把握出来ますので、取得する必要はありません。

 

では被相続人の『住民票の除票』はどこで取得するのかと言うと、『被相続人が最後に住民票を置いていた住所地の市区町村役場』で取得することが可能です。

 

被相続人の方の住民票の除票を申請する際には、
①申請者本人の確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポート)と、
②被相続人との続柄がわかる資料が必要となります。

 

ですので申請の際に、
・交付申請書に必要な項目を記入し、
・申請者本人の確認書類と共に、先程取得した『戸籍関係の書類』を提出し、
・手数料を支払えば、『住民票の除票』を取得する事ができます。

 

印鑑登録証明書

また、相続発生後に遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成する家庭においては、市役所で印鑑登録証明書を申請しておく必要があります。

 

と言いますのも、印鑑登録証明書は、
・遺産分割協議書に押印する実印が、
・本当に相続人本人のモノかを証明するために必要となります。

ですので、
・被相続人の方の印鑑登録証明書は必要ありませんし、
・遺産分割協議書を作成する必要のない家庭においても、この『印鑑登録証明書』を申請する必要はありません。
(※相続人が1人、遺言書通りに財産を分ける家庭)

 

さて、そんな遺産分割協議書の真偽を証明するために必要となる『印鑑登録証明書』ですが、

この『印鑑登録証明書』は、どこで取得すれば良いのかと言うと、
・相続人が現在住民票を置いている住所地の、
・市区町村役場で取得することが可能です。

 

具体的な手順としては、各自が窓口で

・交付申請書に必要な項目を記入し、

・その上で過去に実印を登録した際の印鑑登録証(カード)と、

・本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポート)を一緒に窓口に提出する。

・あとは手数料を支払えば、『印鑑登録証明書』を取得する事ができます

 

印鑑登録証(カード)を無くしてしまった、という方は

・現在の印鑑登録を廃止して、

改めて印鑑登録をして頂き、

・その上で印鑑登録証明書の交付申請を行って下さい。

 

さて、これで市役所で集める書類の説明は終わりです。

では次は法務局で集める書類について解説して行きます。

 

②法務局で集める書類

皆さん一般的に、相続税の申告手続きの際には、法務局で不動産関連の書類を集める必要があるとイメージされている方も多いと思います。

 

例えば

・土地の大まかな位置や形状を表した『公図』であるとか、

・土地の面積が分かる『地積測量図』、などですね。

 

ですが、昨今はグーグルマップやその他の測量ソフトを使えば、

・亡くなった方が所有している土地の場所の確定や、

・細かな形状、

・距離や面積など、こういった大体の情報は手に入る様になりました。

 

ですので、相続税の申告手続きを行う際には、

・亡くなった方の土地の権利関係が分かる

・登記簿謄本(登記事項証明書)を法務局で取得して頂ければ十分です。

 

しかもこの登記簿謄本の取得は全員に必要な訳ではなく、亡くなった方が

・分譲マンションの一室を所有していたとか、

・不動産を共有で所有していた、こういった家庭にのみ、登記簿謄本が必要となります。

 

というのも、亡くなった方が

・分譲マンションの一室を所有している、

・不動産を共有で所有している、こういったケースにおいては、

 

相続税の申告手続きを行う際に、

・被相続人の方の不動産に対する『持分割合』が必要になるんですね。

 

ですがこの『持分割合』は、自宅に届く固定資産税の通知書を見ても、記載されていないんです。

 

こういった理由から、特定の家庭においては、法務局で登記簿謄本(登記事項証明書)を取得して貰う必要があります。

 

では、登記簿謄本は、どの様に取得すれば良いのかと言いますと、

具体的な手続きに関しては、

・直接窓口で請求をする方法と、

・郵送で請求をする方法、

・オンラインで請求する方法と、複数のパターンがあります。

 

ですので、登記簿謄本の取得に関しては、また別の動画で詳しく解説を行いたいと思います。

 

法定相続情報一覧図

次に法務局で集めて頂く書類としては、先程の戸籍の所でお話した『法定相続情報一覧図』があります。

 

『法定相続情報一覧図』というのは、

・亡くなった被相続人の方と

・全ての相続人の方の戸籍情報を1枚の用紙に纏めた書類でして、

この書類を作っておくことで、この後に行う金融機関や保険会社における書類手続きの負担が、物凄く軽減されるんですね。

 

この書類の作成自体は強制ではなく、作る作らないは相続人の方の任意なんですが、

私としては是非、作成しておかれることをオススメします。

 

この『法定相続情報一覧図』の具体的な作り方としては、3つの行程がありまして、

 

①必要書類の収集

まず申請手続きを行う際に必要となる書類として、具体的には

・被相続人の戸籍関係の書類(原本)

(出生から亡くなられるまでの連続した戸籍謄本(除籍謄本)、改製原戸籍)

・被相続人の住民票の除票(無い場合は戸籍の附票)

・相続人の戸籍謄本(原本)

・申出人の氏名、住所を確認することができる公的書類(運転免許証の表裏両面のコピーorマイナンバーカードの表面のコピーor住民票記載事項証明書(住民票の写し)、これらのを集めて下さい。

(※運転免許証とマイナンバーカードのコピーに関しては、コピーに「上記は原本と相違ありません。」と記述し、申出人の記名と押印が必要

(※住民票の写しを返却して欲しい場合は、コピーに「上記は原本と相違ありません。」と記述し、申出人の記名と押印が必要)

 

②法定相続情報一覧図の作成

そしてその書類を元に『法定相続情報一覧図』を自分で作成します。

作成する際は手書きでもいいのですが、間違えた時に書き直すのが大変なので、パソコンで作成されるのが良いでしょうね。

 

『法定相続情報一覧図』のテンプレートは法務局のHPからダウンロードする事ができます。

 

作成に当たっての注意点ですが、

 

・亡くなった方の子供が、被相続人との続柄を表す際には、

・続柄の箇所に「子」と記載するのではなく、「長男」・「長女」・「養子」という様に具体的に記載をして下さい。

(※相続人の住所の記載は任意です。記載する場合には『住民票』の添付が必要)

 

単純に「子」という記載だけで一覧図を作成しますと、相続税の申告手続きにおいて

・『戸籍関係の書類』の代わりに、

・『法定相続情報一覧図』を使うことが出来なくなってしまいますからね。

 

③申出書の記入,登記所へ申出

そして最寄りの法務局に訪問し、

・申出書を記入して、

・一覧図と添付書類と一緒に窓口に提出を行います。(郵送でも可)

 

そうしますと、向こう5年間は原本が法務局で保管され、その上で必要な時には無料で何枚でも『法定相続情報一覧図の写し』を発行して貰うことが出来ます。

◆登記所へ申出

申し出は法務局に対して行いますが、その際の管轄は下記の4つから選ぶことができます。

・被相続人の本籍地、

・被相続人の最後の住所地、

・申出人の住所地(おススメ)、

・被相続人名義の不動産の所在地

必要書類について、申出の際に提出した書類の原本を返してもらえるか?

・亡くなった方の出生から死亡までの戸籍や

・相続人の戸籍、

・被相続人の住民票の除票を提出しますが、

これは提出しても自動的に返却されます。

 

そしてこの『法定相続情報一覧図の写し』を、この後にお話する、銀行や、証券会社に提出すれば、

・提出先ごとに関係者全員分の戸籍関係の書類を用意しなくても、

・この書類1枚で相続手続きがスムーズに進むんですね。

 

その他にも『法定相続情報一覧図の写し』は、

・税務署への相続税の申告書提出の際や、

・不動産の相続登記の際にも、

戸籍関係の書類に代えて使用することも出来ますので、是非作成を検討して頂ければと思います。

 

さて、これで法務局で集める資料については終わりです。

次は銀行で集める資料について見ていきましょう。

 

③銀行で集める書類

銀行預金の残高証明書、

前回の動画で、相続税の計算をする為には、

被相続人が亡くなった当日の預金残高の情報が必要になる、というお話をしました。

 

ですがその際、亡くなった方の家に、当日分の残高が分かる通帳が無いという場合は、

・亡くなった方が生前に取引をされていた各金融機関に出向いて頂いて(郵送でも可)、

・被相続人が亡くなった当日の残高証明書を取得する必要があります。

 

その際の手続きに必要な書類としては、みずほ銀行の案内を参考に見てみますと、

 

・①番と②番で被相続人と相続人の戸籍関係の書類、

・そして③番で来店者の実印と印鑑証明書となっています。

 

ですがその下の注意書きの部分に、「法務局発行の『法定相続情報一覧図の写し』をご提出いただく場合は、①②の提出は原則不要です。」と書かれていますよね。

 

ですので先程の法務局での手続きの際に、『法定相続情報一覧図の写し』を手に入れておれば、この金融機関での残高証明書の申請の際に必要な書類は、

・『法定相続情報一覧図の写し』と

・実印と、

・印鑑証明書のみ、ということになります。

 

その上で、この残高証明依頼書の、

『すべての取引』にチェックを入れ、取引のある支店名を記入します。

この様にしておくことで、相続人の人達が把握していなかった預金口座が見つかることがありますからね。

 

後は被相続人の方が亡くなった『当日』の日付を記入し、申請を行って下さい。

 

経過利息計算書

また、被相続人が定期預金や定額預金、貯蓄預金の口座などの定期性のある口座を持っている場合、

・被相続人が亡くなった時点で、

・その預金口座を解約したと仮定した場合に支払われる利息のことを『既経過利息』と言うのですが、この利息分も亡くなった方の財産となります。

 

ですので残高証明書を取得する際に、窓口で「『既経過利息』の計算をお願いします」と申し出れば、大抵の場合は引き受けて貰えます。

 

被相続人の過去5〜7年分の取引明細証明書

また、前回の動画でもお話しましたが、現在の相続税の調査で最も狙われやすい財産が、亡くなった方の「名義預金」です。

 

名義預金とは、簡単に言えば、

・被相続人が家族名義の通帳を作って、自分で管理し、

・家族に知らせないままその通帳に入金を行っていた場合、

その預金は通帳の名義人のモノではなく、被相続人の相続財産(名義預金)として財産に計上しなければならない、というものです。

 

こういった「名義預金」の流れを掴み、将来の税務調査のリスクを減らすためにも、

・先程の残高証明書で被相続人がその銀行に持っている口座を全て把握出来ましたら、

・被相続人の過去5〜7年分の「取引明細証明書」も併せて取得しておく必要があります。

 

自宅に被相続人の方の過去5~7年分の通帳が揃っているのでしたら、『取引明細証明書』を集める必要はありません。ですが、

・被相続人の方の過去の通帳が自宅にないという場合や、

・そもそも所有している口座がネットバンク口座の為、最初から通帳が無い、という場合には、

 

依頼した税理士の判断を仰ぎながら、

・被相続人の方が生前に取引をしていた金融機関で、

・過去5~7年分の『取引明細証明書』を取得しておいて下さい。

 

相続人の過去5〜7年分の取引明細証明書

また被相続人の方の生前のお金の動きによっては、相続人の方の過去5~7年分の通帳も必要になります。

その場合も依頼した税理士の判断を仰ぎながら、

・取引のある金融機関で、

・過去5~7年分の『取引明細証明書』を取得しておいて下さい。

 

建物更生共済

あと銀行関係の書類で忘れがちなのが、亡くなった方の建物更生共済に関する手続きです。

この建物更生共済とは、

・JAグループが提供している共済契約でして、

・主に火災等の自然災害から建物や家財を保障することを目的としている制度です。

 

建物更生共済においては、その契約に関して満期金や解約返戻金が発生するため、

・契約者が亡くなった場合には、

・死亡した時点における積立金部分の解約返戻金相当額が相続財産の対象になります。

 

ですがこの建物更生共済に関しては、

亡くなった方が共済に加入していたかという書類は基本的に自宅に届きません。

 

ではどうやって、亡くなった方が建物更生共済に加入していたかを判断するのかと言いますと、

その判断ポイントとしては、

・亡くなった方がJAに口座を持っていたか、また、

・建物更生共済自体が元々農家の為の保険であったということから、亡くなった方が不動産に『農地』を持っていたか、

これらに該当するという方は、生前に建物更生共済に加入していることが多いです。

 

その為、亡くなった方がこの要件に当て嵌まるという場合には、相続が発生した後に

・各JAの共済課(共済事業部)に連絡を入れ、

・被相続人が生前に建物更生共済に加入していたかの確認を取ります。

確認の結果、建物更生共済に加入していた場合には、『解約返戻金相当額等証明書』の発行依頼をしておいて下さいね。

この書類も相続税の申告手続きに必要になります。

 

これで銀行で集める資料については終わりです。

次は証券会社で集める資料について見ていきましょう。

 

④証券会社で集める書類

証券会社の預り証明書(残高証明書)

前回の動画で、相続税の計算をする為には、被相続人が亡くなった当日の株式や投資信託の残高情報が必要になる、というお話をしました。

 

ですがその際、亡くなった方の家に、当日分の有価証券の残高が分かる書類が無いという場合は、

・亡くなった方が生前に取引をされていた各証券会社に連絡をして頂き、

・被相続人が亡くなった当日の残高証明書を取得する必要があります。

 

その際の手続きに必要な書類としては、このSMBC日興証券の案内によると、

・被相続人と相続人の戸籍関係の書類、

・若しくは「法務局発行の『法定相続情報一覧図の写し』、

・それと申請者本人の確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポート)が必要になります。

 

ですのでこれらの書類を用意して、

・あとは証券会社の担当者の指示に従って手続きを進め、

・被相続人が亡くなった『当日』の残高証明書を取得しておいて下さい。

 

また相続税の申告においては、「相続開始日および相続開始日を含む過去3ヶ月分の各月の平均終値単価がわかる情報」も必要になりますので、この情報も残高証明書の申請の際に併せて申請しておいて下さい。

 

では次は保険会社で集める資料について見ていきましょう。

 

⑤保険会社で集める書類

生命保険金支払通知書

前回の動画で、被相続人の方が亡くなった場合、

・亡くなった方が契約者となっている『保険証券』が、亡くなった方の自宅にあれば、その資料も、相続税の申告手続きの際に必要となります、という話をしました。

 

被相続人が亡くなった場合には、この『保険証券』を元に、

・亡くなった方が契約されていた保険会社に相続発生の連絡をし、

・保険金受け取りの手続きを進め、

・『生命保険金支払通知書』を受け取る必要があります。

 

相続税の申告手続きの際には、この『生命保険金支払通知書』に記載されている金額が必要になりますからね。

・この保険金の受け取りや、

・『生命保険金支払通知書』の受け取りに関しては、各保険会社によって、手続きの流れが変わって来ますので、

まずは保険会社に連絡をし、保険会社の案内に従って手続きをしましょう。

 

死亡保険金の請求手続が完了すれば、亡くなった方の保険金が受取人の方の口座に振り込まれ、受取人の方の自宅に『生命保険金支払通知書』が送られて来ますので、この通知書を税理士に提出して下さい。

 

解約返戻金相当額等証明書

また、生命保険契約には、もう一つポイントがありまして、このスライドの様に、生命保険の

・契約者が夫

・被保険者が妻

・受取人が子供 といった契約をしていた場合で、

被保険者の妻が亡くなる前に、夫の相続が先に発生した場合には、夫が支払って来た保険料というのは、「生命保険契約に関する権利」として、相続財産になります。

 

そしてこの「生命保険契約に関する権利」というのは、

・被相続人である夫が亡くなった日において

・この生命保険契約を解約したと想定した場合に支払われる「解約返戻金相当額」が、相続税の評価額となります。

 

ですので、被保険者よりも先に契約者が亡くなってしまった、という家庭においては、

・契約者(亡くなった方)が生前に契約されていた保険会社に相続発生の連絡をし、

・『被相続人の死亡日における解約返戻金相当額が分かる書類』の申請手続きを行って下さい。

 

保険給付金支給決定通知書(入院給付金・手術給付金)

また、生命保険関係の相続財産としては、入院給付金や手術給付金も該当します。

 

入院給付金(手術給付金)というのは、

・医療保険の基本的な保障の1つで、

・怪我や病気によって入院(手術)をした場合に、保険会社から支払われるお金のことをいいます。

 

被相続人の方が生前に、このスライドの形態で医療保険(入院・手術給付金)の契約をしており、

契約者:被相続人(保険料を支払う人)

被保険者:被相続人(入院or手術を受ける人)

受取人:被相続人(保険金を受け取る人)

 

実際に入院や手術を受けた後に、保険会社に給付金の申請をせず亡くなってしまいますと、

・この入院給付金や手術給付金は、

・被相続人の未収金として相続財産に計上することになります。

 

ですのでこの入院給付金(手術給付金)の金額が分かる書類を集める必要があるんですね。

(※「死亡保険金」と「入院給付金」が合算されて支払われる(通知が届く)こともあります。)

 

入院給付金(手術給付金)を請求する際の一般的な手順としては、

・まず亡くなった方が契約をしていた保険会社に相続が発生した旨の連絡を入れ、

・各保険会社毎に必要な書類を集め、提出をします。

・保険会社のチェックが終わりましたら、受取人指定の預金口座に給付金が振り込まれ、

・後日受取人の自宅に『保険給付金支給決定通知書』が届きます。

ですのでその書類を集めておいて下さい。

 

この入院給付金等の医療保険に関しては、今お話した様に、

・受取人が亡くなった方の場合には、亡くなった方の相続財産になりますが、

・受取人が亡くなった方の配偶者や子供になっている場合には、医療保険は相続財産にはなりません。

これは、入院給付金が「死亡」を原因として支給される相続財産ではなく、あくまでも被保険者の「入院」によって保険金が支払われる『受取人固有の財産』だからです。

そのため入院給付金等の受取人が亡くなった方以外の場合には、相続財産への計上も必要ありません。

 

また所得税法上、「身体の障害に起因」して支給される給付金は非課税となっています。

ですので保険金を受け取った人は、所得税を課税されることもありません。

 

高額療養費支給決定通知書

次は高額療養費が還付された際に集めて頂く書類についてです。

 

被相続人の方が生前に、

・国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた。

・またはサラリーマンとして健康保険に加入していた。

その上で長期の入院などで、医療機関に支払う治療費の自己負担額が一定額を超えていた。

こういった場合、相続人の方は、

・被相続人の死後、『高額療養費支給申請書』に必要事項を記載し、申請手続きを行えば、

・一定額を超えた部分のお金が還付されることになります。

 

これを高額療養費制度と言いまして、被相続人の死後に払い戻された高額療養費は「還付金」として相続財産に計上することになります。

 

ですので、無事に手続きが完了した際に受取人の方の自宅に届く、『高額療養費支給決定通知書』に記載されている金額が必要となりますので、該当書類を集めておいて下さい。

 

その際に行う、高額療養費の請求手続きに関しては、

・被相続人の方が国民健康保険に加入していたか、

・健康保険に加入していたかで、行う手続きや請求場所等が変わって来ます。

ですので、被相続人の加入している団体に連絡を取って手続きを進めて下さい。

 

「葬祭費」・「埋葬料」

また、被相続人の方が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合は、

・「葬祭費」として3万円~7万円(地域差あり。東京23区7万、市5万、郡3万(市でも3万郡でも5万のところもあり))が、

 

サラリーマンとして健康保険に加入していた場合は、

・「埋葬料」として5万円が、申請を行った各機関から喪主などに支給されます。

 

この「葬祭費」や「埋葬料」に関しても相続財産に含まれるのか?という質問を受けることがあるのですが、

この「葬祭費」や「埋葬料」に関しては、被相続人ではなく相続人が受け取るべきものですので、相続財産にはならない、という部分も覚えておいて下さい。

また、相続人が受け取った場合においても「葬祭費」や「埋葬料」は、所得税の対象外となります。

 

これで保険関係の書類集めについては終わりです。

では次はいよいよ最後の章、年金事務所や老人ホームで集める書類について見ていきましょう。

 

⑥年金事務所や老人ホームで集める書類

一般的に日本において給付される年金の種類には大きく2種類ありまして、

・1つが「老齢年金」や「障害年金」、「遺族年金」・「寡婦年金」などの公的年金、

・そしてもう一つが「企業年金」や「個人年金保険」、「国民年金基金」などの私的年金で

す。

 

公的年金

このうち、公的年金に関する課税関係としては、

65歳以上から支給を受けることが出来る「老齢年金(公的年金)」に関しては、

年金を受けている方が亡くなられた場合、

・同一生計の遺族が被相続人の年金の未収部分を請求することにより、『未収年金(公的年金)』を受け取ることができます。

 

この「未収年金」に関しては、

・相続税が課税されるのではなく、

・遺族の一時所得として所得税が課税されることになります。

(※但し一時所得には50万円の特別控除があるため、未収年金だけで課税されることは少ないです)

 

また、被相続人が亡くなった後に遺族に対して支給が始まる「遺族年金(公的年金)」や「寡婦年金(公的年金)」に関しては、受け取った遺族に対して相続税も所得税も課税されません。

(※寡婦年金の受給に関しては一定の要件あり)

 

つまり端的に言いますと、被相続人の『公的年金』に関しては、「未収年金」であっても、「遺族年金や寡婦年金」であっても、相続財産に計上する必要はないので集めて頂く書類もない、ということですね。

 

私的年金

ですがこれが「企業年金」や「個人年金保険」などの『私的年金』になると話が変わって来ます。

私的年金の未収部分というのは相続税の対象になるんです。

 

具体例を挙げますと、

被相続人の方が生前に会社の「企業年金」に加入していた場合で、

・企業年金の支給前に被相続人の方が亡くなった場合には、

・「未支給の企業年金」は『死亡退職金』として支払われ、相続税の対象になります。(※500万円×法定相続人の人数の非課税枠あり)

 

同じく、被相続人の方が会社の「企業年金」に加入していた場合で、

・企業年金を受け取っている途中に亡くなった場合には、

・「未支給の企業年金」は『定期金に関する権利』として相続税の対象になります。(※500万円×法定相続人の人数の非課税枠なし)

 

また、被相続人の方が民間の生命保険会社で「個人年金保険」に加入していた場合で、

・個人年金保険の支給前に被相続人の方が亡くなった場合には、

・「未支給の個人年金保険」は『死亡給付金』として受取人(継続受取人)に支払われ、

相続税の対象になります。(※500万円×法定相続人の人数の非課税枠あり)

 

同じく、被相続人の方が民間の生命保険会社で「個人年金保険」に加入していた場合で、

・個人年金保険を受け取っている途中に亡くなった場合には、

・「未支給の個人年金」は『年金受給権』として受取人(継続受取人)に引き継がれ、相続税の対象になります。(※500万円×法定相続人の人数の非課税枠なし)

 

この様に、被相続人に未支給の年金があったとしても、

・それが『公的年金』に関する未支給分でしたら、相続財産に計上する必要はないので、

・相続税の申告手続きの為に必要となる書類はありません。

 

ですが、被相続人に未支給の年金があり、

・それが『私的年金』に関する未支給分でしたら、

・それは相続財産に計上する必要がありますので、

・相続税の申告手続きの為に必要となる書類を集めておいて下さい。

 

その際の書類集めの手順としては、

・「企業年金」に関しては、被相続人の方が勤めていた会社に直接問い合わせて頂く、

・また「個人年金保険」に関しては、被相続人の方が契約をしていた保険会社に直接問い合わせて下さい。

 

老人ホーム

また、被相続人の方が生前に有料老人ホームに入居していた場合には、入居時において入居一時金を支払っているケースが多いです。

ですがその後、死亡などの理由で契約が一定期間内で解除された場合、支払った入居一時金から償却金を控除した残額が、老人ホームから返金されます。

その返還金についても相続財産に計上する必要があるんですね。

 

手続き方法や、支払通知書などは、各老人ホームによって異なりますので、被相続人が生前に入居していた施設に問い合わせて、返還金が分かる書類を集めておいて下さい。

 

まとめ

さて、これで公共機関や金融機関で取得しなければいけない書類とその集め方の解説は終わりです。

 

今回と前回の記事を通して紹介してきた必要書類の一覧は、相続が発生した際に必要となる書類を、ある程度満遍なく纏めております。

ですので全ての家庭において、これら全ての書類を集める必要はありません。

ですので実際に相続が発生した際には、これらの書類の中から皆さんの家庭において必要な書類だけ集めて頂ければと思います。

この記事を書いている人 - WRITER -
秋山 清成
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