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【朗報】110万円の暦年贈与は引き続き利用OK!相続・贈与の一体化はいつから施行される?

 
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秋山 清成
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昨年税理士業界をはじめ、各種メディアでも話題になった相続・贈与の一体化問題ですが、

昨年12月10日に公表された『令和4年度税制改正大綱』内では、皆さんが不安に思っておられた、

暦年贈与の廃止、並びに、相続財産への足し戻し期間の延長などの『具体的な変更点』は明記されず、

令和3年度の大綱内容と同様に、『相続・贈与の一体化』について本格的な検討を進める、という文言が記載されるに留まりました。

つまり少なくとも今年2022年中においては、これまでと同様に、『110万円までの贈与が非課税となる暦年贈与』は利用可能ですので、

暦年贈与の利用を検討されている方は、積極的に贈与を実行して頂ければと思います。

 

さてここまでは、将来の相続税の節税を検討されている方には朗報となる内容なんですが、逆に『相続・贈与の一体化』の改正案が今年何の進展も見せなかったことから、

「従来通りの暦年贈与はいつまで使えるのか?」

「『相続・贈与の一体化』は本当に今後導入されるのか?」という部分は多くの方が気になるポイントだと思います。

 

そこで今回の記事では、

①『相続・贈与の一体化』の概要

②『相続・贈与の一体化』はこのまま導入されない可能性もあるのか?

③ 導入される場合はいつが施行日となるのか?

という3つのテーマについて解説をして行きます。

 

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記事で読みたいという方は、このまま下に読み進めて下さい。

 

①相続・贈与の一体化の概要

ではまず、相続・贈与の一体化について、

「初めて知る」、若しくは「内容を忘れてしまった」という方に向けて、

この章では『相続・贈与の一体化』の概要について、簡単に復習して行きたいと思います。

詳しい内容はこちらの記事で解説をしておりますので、気になるという方是非ご覧になってみて下さい。

 

では何故いま、ここまで『相続・贈与の一体化』に関心が集まっているのかと言いますと、それはズバリ、

『相続・贈与の一体化』の施行により、実質的な相続税の大増税となり

納税者にとっての相続税の負担がこれまで以上に大きくなるからなんです。

 

順番に解説して行きますと、当事務所ではこれまでに、

将来の相続税を1円でも少なくする(0円にする)為に、

110万円の暦年贈与』又は『110万円以上の暦年贈与』を積極的に活用して行きましょう!という話を繰り返し行ってきました。

 

ですが近い将来、この最高の節税策である『110万円の暦年贈与』が使えなくなる可能性が出て来ました。

その原因が、現在(2022年1月8日時点)自民党税制調査会で本格的な検討が進んでいる『相続・贈与の一体化課税』です。

 

ⅰ『贈与加算の期間延長説

もしもこの制度が実際に施行されると

『3年以内の贈与加算』(相続開始前の贈与については、3年以内のものは相続財産として足し戻す)の期間が、

「相続開始前5年以内の贈与」、

「10年以内の贈与」「15年以内の贈与」は、相続財産として足し戻して下さい!という取り扱いになるかもしれません(贈与加算の期間延長説)

 

ⅱ『暦年贈与廃止説

いえ、もしかしたら、もっと深刻な変更として、

『暦年贈与における110万円の非課税枠自体』を無くし、

生前に被相続人から受けた贈与は、被相続人の相続が発生した時点で、

これまでの贈与全てを足し戻して、一律で『相続税を課税します!』という形に変わる可能性もあるんです(暦年贈与廃止説)

 

そうなりますと、これまで110万円の非課税枠を使い、将来の相続税を大きく節税、若しくは0に出来ていた家庭は、

この節税策が使えなくなり、

結果として『納税者にとっては相続税の大増税になる・・・』ということなんです。

 

ⅲ予想

その上で、昨年末に投稿した2本の記事では

『相続・贈与の一体化課税』が施行された場合、

『贈与加算の期間延長説』と『暦年贈与廃止説』どちらが採用されるのか?という部分について、私の予想では、

『暦年贈与廃止説』は、税務署側のコストやシステムの問題等も考えれば直近の改正で導入することは難いので

消去法により『贈与加算の期間延長説』が採用されるのではないか、というお話をしました。

 

そしてその場合、「被相続人が亡くなる何年前までの贈与が、被相続人の相続発生後に纏めて足し戻しされるのか?」については、

『相続開始前の5年以内』『10年以内』『15年以内』を比較した場合、

一番妥当な落としどころとしては『相続開始前の10年以内の贈与』になるのではないか、

そして施行日は、早ければ2022年の4月1日から始まるのではないか、という予想をお話しました。(専門家によって諸説あり)

ここまでが、『相続・贈与の一体化課税』についての簡単な振り返りとなります。

 

『相続・贈与の一体化課税』の具体的な施行日について、「私の予想では、早くて今年の4月1日から施行される・・・」とお話をしていましたが、実際にはどうなったかと言いますと、

冒頭にもお話した様に、

昨年の税制改正大綱内では「本格的な検討を進める」という一昨年と全く同じ文言が記載されるに留まり、

今年も110万円までの贈与が非課税となる暦年贈与は継続して利用することが出来る。ということになりました。

 

ではそれを受けてここからは、

『相続・贈与の一体化』はこのまま導入されない可能性もあるのか?

導入される場合はいつが施行日となるのか?という部分について解説していきたいと思います。

 

②『相続・贈与の一体化』はこのまま導入されない可能性もあるのか?

ここまでのお話を聞いて、

「2年前の税制改正大綱の内容と去年の大綱の内容が全く一緒ということは、もうこのまま政府は検討だけするって言いながら、何も変えるつもりは無いんじゃないの?」

「『相続・贈与の一体化』なんて、心配するだけ無駄じゃない?」と、こう思われた方もいらっしゃるでしょう。

 

ですが私は今回の税制改正大綱の内容を見て、「やはり『相続・贈与の一体化』は高い確率で導入されるだろうな」と感じています。

と言いますのも、先程見て頂いた大綱内の文章には続きがありまして、

という文言が、最新の税制改正大綱では記載されているんですね。

 

つまりどういうことかと言いますと、現状富裕層は、

110万円の暦年贈与や、

親族間でしか行うことが出来な、『住宅取得資金の贈与』『教育資金の一括贈与』などを利用して、将来の相続税を大きく減らしている。

しかしそれ

生前贈与を活用して節税の恩恵を受けられる富裕層と、

そうでない一般層との格差を更に広げることに繋がっている。

 

なので、 そういった世帯間における格差を是正するためにも、『相続・贈与の一体化』については、これからも不断の見直しを行っていくという文言が付け足されたんですね。

 

不断の見直しというのは、「絶え間なく見直しを続けていく」という意味なので

やはり政府は、『相続・贈与の一体化』を今後確実に進めて行く意思があると考えられます。

 

さらに『2021年12月13日のダイヤモンドオンライン』にて、自民党の前税制調査会長である甘利氏が『相続・贈与の一体化』について、この様な発言をされていました。

「財産移転の時期による有利、不利を失くし、いつ行っても税負担を同じにすることが一番大事。

目下、(一体化によって)どういう問題が出てくるのか、そのシミュレーションをしているところだ」

この発言から、政府が『相続・贈与の一体化』をこのまま実行しないという可能性は低いでしょう。

 

その上で、一体化課税の進め方としては、『絶え間なく見直しを続けていく』ということからも、

直近の改正で一気に暦年贈与を廃止するというより、

贈与加算の期間を徐々に伸ばして行く、という考えを持って検討を進めている可能性が高いですね。

 

ではここまでを踏まえて、今後『相続・贈与の一体化課税』が導入されるのはいつか?ですが、

私や私の周りの税理士、国税OBの間での見解として

2024年の1月、ないし4月から『相続・贈与の一体化課税』が導入される可能性が高いんじゃないか?と予測しています。

 

何故2023年からではなく、2024年からなのか?次の章でその理由を解説して行きます。

 

③導入される場合はいつが施行日となるのか?

私が『相続・贈与の一体化課税』が2024年から導入されるのではないか、と予測するにはつの理由があります

1⃣住宅取得資金の贈与や教育資金の一括贈与、結婚・子育て資金の一括贈与の適用期限が、揃って2023年(令和5年)中に終了するということ、

2⃣2022年の12月に税制改正大綱で改正案が纏まったとしても、実際の導入前に、国民や徴収側の税務署に対して1年程の周知期間を設けるのではないかということ、

この2つが理由となります。

 

ⅰお得な贈与の特例制度がどれも2023年(令和5年)中に終了する

お得な贈与の特例制度がどれも2023年(令和5年)中に終了するということについてですが、まず贈与税には以下のような特例制度があります。

住宅取得資金の贈与
最高で1,000万円までの贈与が非課税

教育資金の一括贈与
最高で1,500万円までの贈与が非課税

『結婚・子育て資金の一括贈与』
最高で1,000万円までの贈与が非課税

それぞれの適用期限を見てみますと、

『住宅取得資金の贈与』
2021年(令和3年)の12月31日までとなっていたものが、昨年の税制改正により2023年(令和5年)の12月31日までが適用期限となりました。
(※非課税額は最高で1,500万円→1,000万円に減額)

 

『教育資金の一括贈与』『結婚・子育て資金の一括贈与』
以前と変わらず、2023年(令和5年)3月31日までが適用期限です。

そのため、今後特例の適用期限を延長するというアナウンスがない限り、

これら贈与税のお得な特例は3つとも2023年(令和5年)中に終了することになります。

 

つまりこれらの特例制度は、

適用期限である2023年を目途に終了、

そして2024年から『相続・贈与の一体化課税』が施行される、という流れ1つの可能性として考えられます。

 

もしくは特例制度自体は継続されるが、

2024年から導入される『相続・贈与の一体化』に合わせ、

その非課税額が縮小される、ということも考えられますね。

これが、私が『相続・贈与の一体化課税』が2024年から導入されるのではないか、と予測する理由の一つとなります。

 

ⅱ国民や徴収側の税務署に対する周知期間

またもう一つの理由としては、先程も触れた様に、

2022年の12月に税制改正大綱で改正案が纏まったとしても、

実際の導入前には国民や徴収側の税務署に対して1年程の周知期間を設けるのではないか?という事です。

 

と言いますのも、『相続、贈与の一体化』のニュースはいま、雑誌やテレビ、Youtubeでも大きく取り上げられており、国民の関心が非常に高まっています。

そして『相続・贈与の一体化課税』の導入が決定すれば、どんな形になるにせよ、

間違いなく従来より相続税が課税される人増え、

元々相続税が掛かる人は、今まで以上に増税になります。

 

のため政府としては、1年ほどの周知期間を設け、その間に、

納税者には心の準備や駆け込みの節税対策、

徴収側となる税務署にはシステムの構築や人員の手配等をしてもらい、

そして2024年から実際に『相続、贈与の一体化』がスタート。こういった流れも考えることが出来ます。

 

これらの理由から私は、2024年の1月、ないし4月から『相続・贈与の一体化課税』が導入される可能性が高いと予測します。

 

まとめ

さて今回は、【朗報】110万円の暦年贈与は引き続き利用継続!相続・贈与の一体化はいつから施行されるのか?という内容についてお話をして来ました。

 

とりあえず今年2022年中においては、

110万円までの贈与が非課税となる暦年贈与や、

その他の特例制度である、

『住宅取得資金の贈与(最高で1,000万円まで非課税)

『教育資金の一括贈与(最高で1,500万円まで非課税)

『結婚・子育て資金の一括贈与(最高で1,000万円まで非課税)』、

これらは従来と変わらず利用が可能となりました。

 

ですので皆さんには、是非この期間中にこれらの記事を参考に、ご自身の家庭にとって最善の節税対策を取って頂き、将来の相続税の負担を少しでも減らして頂ければと思います。

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秋山 清成
相続のご相談なら、秋山税理士事務所へ。国税局・税務署で40年以上相続を取り扱ってきた税理士が、相続対策や節税方法、相続税申告、贈与税についてのご相談など親切丁寧にサポートいたします。SRS(相続リモートサービス)にて全国のお客様に対応しております。どうぞお気軽にご相談ください。