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贈与税の無申告が税務署にバレる5つのパターン!

 
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秋山 清成
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以前、「実は贈与税に関しては税務署は調査をしていません」という記事を投稿しました。

 

この投稿を見た読者の方達から、

「じゃあ私の家は将来相続税が掛かるような財産もないし、親子間でどんなお金のやり取りを行っても大丈夫ですよね?」

といった内容の質問を頂きました。

 

今回の記事の結論を先に申し上げますと、贈与の内容によっては、あなたが行った行為は税務署にバレます!

 

確かに税務署は、贈与税に関しての調査〝自体〟は行っていません。

しかしですね・・・

 

税務署には、

贈与税の調査を行う、
行わないに関わらず、

様々な方面から、個人間において贈与が行われたという『情報』が入って来るのです。

 

ですので、そのような情報から、

税務調査官は結果的に個人間の贈与の実態を知り、

 

結果、贈与税の申告を行っていない人は、

贈与税と、
ペナルティとして無申告加算税を課されます。

さらに、

申告期限の翌日から発生する延滞税も掛かる

という事になってしまいます。

 

ではこの、

  • 税務署に送られてくる情報というのは、どこから送られて来るのか?
  • どういった手続きや行動を取れば、その情報は税務署に把握されてしまうのか?

それを解説する為に、これを行うと税務署はあなたの贈与を把握する!という5つのケースを解説していきます。

 

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記事を読みたい方は、このまま下に読み進めて下さい。

 

ケース①住宅購入時の共有登記

まず、税務署に贈与が把握される行動として、住宅購入時の共有登記があります。

例えば、

夫が3,000万円、
妻が1,000万円のお金を出して、
4,000万円の住宅を購入したとしましょう。

このとき夫婦それぞれがお金をだした分に応じて、

住宅の登記を
夫4分の3
妻4分の1

としていれば何も問題ないのですが、

 

 

夫2分の1
妻2分の1として

登記をしてしまうと、

 

これは夫から妻への贈与になり、

登記をきっかけとして税務署がこの贈与を把握する事になるのです。

 

不動産の共有登記から贈与税の無申告を把握する方法

まず、皆さんが不動産の購入や自宅の新築などをして、不動産登記を行うと、

税務署は

「○○が不動産を購入した」
「○○が登記を行った」

という情報を法務局から手に入れます。

 

すると税務署から、

「お買いになった資産の買入価格などについてのお尋ね」

という文書が、不動産の名義人の元に送られてきます。

不動産を取得した人は、この各項目を記入して税務署に提出する訳ですが・・・

 

提出した書類の内、

①の職業・所得や、
④の支払金額の調達方法の情報から、

税務署は、不動産を取得した人の〝家庭内における贈与の実態〟を掴みます。

 

例えば、

夫婦で3,000万円のマンションを共同で購入し、
お互いに持ち分2分の1づつで不動産登記を行ったとします。

 

税務署は

この夫婦がマンションを購入した
お互いに持ち分2分の1で不動産登記を行った

という情報を法務局から入手し、マンション購入者に対して「お尋ね」を送ります。

 

そして、税務署は「お尋ね」を送った時点で既に、

“マンションを共有名義で登記した妻は、専業主婦である”

と言う事を、

夫の所得税の申告書に記載されていた「配偶者控除」の内容で把握しています。

 

ですから税務署は、

 

「専業主婦である妻が、どうやってマンションの購入資金を支払ったのだろう」

 

といった部分を解明するために、この夫婦に対して「お尋ね」を送ったのです。

 

 

そして「お尋ね」の「④ 支払金額の調達方法」の欄に妻が記入した内容が、

「5年前に父親から2,000万円の預金を相続しており、そこから今回のマンション購入資金を出した」とか、
「自分が独身時代に働いて貯金していた、自分の預金のお金を使った」とか、

このような内容が「④ 支払金額の調達方法」の欄に書かれていれば、税務署はその内容に合理性があると認めるのですが、

その際に、合理性のない回答が書かれていると・・・

 

税務署側は

「具体的な資金の調達方法が分からない専業主婦の妻が、マンション購入資金として1,500万円も出せるなんてオカシイ!」

と判断し、

 

「後日、説明を聞くので税務署に来てください」

 

という通知が届くことになります。

 

ケース②住宅ローンの控除手続き

また、住宅を購入する際に組む住宅ローンによっても、税務署は贈与の実態を把握して来ます。

 

自分の住宅を購入する際は、銀行で住宅ローンを組んで、自宅の購入資金に充てるという方が大半ですよね。

ですので、日本では

住宅ローンで不動産を購入した場合には、
住宅ローンの年末残高の1%相当額が、
その年に納税した所得税から控除されるという、
『住宅ローン控除』という制度が設けられています。

そして、この制度を使うためには、

住宅ローンを組んだ年の最初の1年だけは確定申告が必要となります。

 

また、確定申告を行う際には、

新しく購入した不動産の登記事項証明書と、
年末時点の住宅ローンの残高が記載されている借入金の年末残高証明書を、

税務署に提出する必要があります。

 

住宅ローン控除の手続きから贈与税の無申告を把握する方法

では、この住宅ローン控除の手続きにおいて、どのように贈与を把握するのかといいますと・・・

 

 例えば、3,000万円の住宅を購入した夫婦がいたとしましょう。

 

法務局から入手した登記情報によれば、
購入した不動産は夫と妻、2分の1づつの共有持分で登記が行われているのに、
提出された住宅ローン控除の書類を見ると、1,000万円のローンは夫が100%の借入と書いてある。

 

税務署はこれらの情報から、

この夫婦は夫婦共有で3,000万円の不動産の購入をし、
持分2分の1づつで登記を行ったとしているけれど、
住宅ローン1,000万円の借入が夫100%の時点で、
この不動産は3分の2の部分は夫のものだ!

と判断をします。

 

 

夫と妻が持分2分の1づつで登記をしていると言う事であれば、本来なら

3,000万円の不動産の購入代金の負担額は
夫1,500万円、
妻1,500万円である必要があります。

 

ですが、この夫婦の場合、

不動産の購入代金の負担は
夫2,000万円(預金1,000万円+ローン1,000万円)
妻1,000万円となっています。

と言う事は、夫がお金を出した2,000万円の内、500万円分は妻への贈与になるのです。

 

このようにして、住宅ローン控除の申告をきっかけに、

贈与税の無申告が税務署に把握され、

結果、

妻に対して贈与税が課税される事になるのです。

 

 

ケース③生命保険金の受け取り 

次は生命保険金を受け取る際にも、税務署に贈与の実態が把握されるという部分ですが、

まずは前提として、

生命保険を受け取る際の税金が

相続税になるのか、
贈与税になるのか、
所得税になるのか

という部分を簡単におさらいしておきましょう。

 

生命保険における課税関係は、

誰が保険料を支払う契約者か?
被保険者は誰か?(誰が亡くなったときに、受取人に生命保険金が下りるのか?)
誰が保険金を受け取る受取人か?

という部分で変わって来ます。

この生命保険の課税関係に関しては、こちらの記事で詳しく解説していますので、よろしければ参考にしてみて下さい。

 

さて、この前提条件を踏まえた上で、

たとえば、

妻が保険の契約者、
夫がその保険の被保険者、
保険金の受取人を子ども

このような形態で、保険の契約をしたとします。

 

保険料を妻が払っていたところ、
夫が亡くなり、
子どもに保険金が支払われたとすると、

この場合、

⚠生命保険金を受け取る子どもに対して贈与税がかかります。

つまり「保険料を払っていた妻から、子供への贈与」ということになります。

 

例えば、

子供が受け取った保険金が1,500万円だったとすると、
子供には366万円の贈与税が掛かる事になります。

※贈与税率・税額控除は贈与額によって変化します

ここで、

「この贈与税の申告と納税をしなくても、税務署は贈与税の調査をしていないんだから、バレっこないでしょ!」

と高を括って申告も納税もしないのは最悪です。

 

何故なら、

「生命保険のお金の流れ」というのは、
保険会社から税務署に対して「支払調書」という形で
しっかりと情報が流れているからです。

 

ですので税務署は、

この親子間の生命保険に関する贈与の実態を簡単に把握出来ますし、

その上で

「子供が贈与税の申告と納税を行っていない」と分かれば、

 

税務署は子供に対し、

贈与税の課税、
無申告加算税というペナルティ
申告期限の翌日から発生する延滞税

これらをまとめて課税する。という事になります。

 

 

ケース④金地金の取引

また、金地金の取引を行う際にも、税務署に贈与の実態が把握されることがあります。

ひと昔前になりますが、金地金やプラチナ地金の譲渡所得の申告漏れが横行していました。

そのため2012年から、

一度の取引で
200万円を超える金地金、プラチナ地金、金貨を、
売却または交換した際には、
金の販売店等は税務署に対し「支払調書」を提出しなければならない

という制度が出来ました。

 

この提出された「支払調書」によって、税務署はどのように贈与の実態を掴むのか?といいますと、

支払調書には下記の画像のように、

金の取引をした人の
・住所 ・氏名 ・マイナンバー
・金地金等の重量、数量
・支払金額などが記載されています。

※国税庁HPより

税務署では、提出されたこの支払調書の内容を見て

「この金の売却を行った人・・・、まだまだ若いのに、なんで300万円相当の金を持っていたんだろう・・・」
「親からの贈与じゃないのか?」
「じゃあ贈与税の申告や納税は行っているのか?」
「いや、申告も納税もされてない・・・、呼び出して話を聞いてみよう」

と、このような流れになります。

 

 

ケース⑤第三者からの投書・通報

ここまでの内容では、

不動産や、生命保険、金などの贈与は、
登記情報・住宅ローン控除の手続きや支払調書によって、
税務署に把握されます!

という話をして来ました。

 

これまでの流れで

「じゃあ現金の贈与に関しては、親子間や友達の間でこっそりと行えば、支払調書なんてモノもないし、税務署にはバレないんじゃない?」

と思った方もいるかもしれません。

 

実際に読者の方からも、このような質問を頂いたのですが・・・、

 

こっそりと贈与を行ったからと言って、税務署にバレないという保証はありません

 

確かに税務署は、

親子の間や夫婦間、
友人知人の間での
個人的な贈与に関しては、
調査を行っていません。

税務署の人員的にも、これら全ての個人間の贈与を把握するなんて不可能ですからね。

 

ですが、この個人間の贈与においては、これまで紹介した「支払調書」よりも恐ろしいモノが絡んで来ます。

 

それは、第三者からの投書・通報です。

 

以前「現役時代に私が税務調査の対象に選んでいた家〝5選〟」という記事でもお話しましたが、

税務調査を行うかどうかの選定は、税務署に舞い込む「投書」がきっかけで行われることもあります。 

一般の方から寄せられる投書のことを、税務署内部では「なげ」と言っていまして、

 

この「なげ」の中には、

「◯◯さんが、相続財産の一部を申告せずに隠し持っている」とか、
「◯◯さんが、誰々からお金を貰ったけど贈与税を払っていない」とか、

身内や内部の者しか知りえない、詳しい情報が書かれた「なげ」も含まれています

 

またこちらの記事では、

親の預金を勝手に取り込んだ兄弟に対し、
他の兄妹が、

「兄は亡くなった親のお金を取り込んでいる!調べて下さい!」という内容を、

税務署に「通報」という形で訴えています。

 

そして税務署は、

詳しい内容の「なげ」や「通報」があれば、
確実に調査対象します。

 

何故なら、

ある人が、
「脱税をしたけれど調査に入られなかった!」

ということを自慢していた場合、

 

それを聞いた人が、
「それなら自分だけ真面目に税金を納めるのは馬鹿らしいじゃないか」

と、税金を納めなくなってしまう可能性がありますよね。

そうすると税務署は、

正しく税金を徴収出来なくなり、
国の財政自体に影響が出てしまいます。

 

そうならない為にも、税務署は「投書」や「通報」について軽視をしません。

 

ここまでご覧になられても尚

 

「私達は仲がいいから、そんな身内を売る様な真似は絶対にしない」

 

と、安易にお金のやり取りを無申告で行っていたとしても、

 

将来的に

親子、夫婦などの親族間
友人の間で、

相手を憎む程の喧嘩別れがあった場合どうなるでしょうか?

 

贈与をした側は相手を憎むあまり、

「◯◯は、私が過去にあげた200万円に対する贈与税を払っていません!」

という内容の過去の贈与の情報を、税務署に提供する可能性は決して0ではありません。

 

まとめ

最後に、今回の記事の内容のまとめです。

 

まず前提として、

贈与税の無申告は
将来、贈与を行った方の相続が発生した際に、

税務調査官の調査によりバレます。

 

しかし、

「じゃあ私の家は将来相続税が掛かるような財産もないし、親子間でどんなお金のやり取りを行っても大丈夫!」

と、今回紹介した様な行為を無申告で行っていると

税務署に補足され、
その時点で贈与税を課税されます。

 

不動産の登記手続きや
ローン控除の手続き、
生命保険金の受け取りなどの他にも、
第三者の投書や通報でも

税務署は動き、贈与税の課税を行います

 

税務署に贈与税の無申告を把握されてしまった場合には、

贈与税の他にも
無申告加算税という重いペナルティと、
申告期限の翌日から発生する延滞税も掛かります。

 

くり返しになりますが、

いくら税務署が「贈与税の調査〝自体〟は行っていない」といっても、

贈与が行われたという『情報』は、様々な方面から税務署に入って来ます。

 

ですので、

1年間の間に110万円を超える贈与を受けた方は、
その翌年の2月1日~3月15日までの、
確定申告の時期に、
申告と納税をキチンと行って頂ければと思います。

 

また、今回お話した情報を聞いて、

「贈与ってやっぱり怖い」
「税務署に目を付けられるのは嫌だからもう贈与はやめておこう」

というのは、本当に勿体ないです!

 

正しい知識を持って、
正しい形で行う贈与は、

将来の相続税の節税にもなりますし、
生きている内に配偶者や子供達にお金を渡してあげることで、
配偶者や子供達はそのお金を感謝をして使い、

結果的に経済も回ります。

 

当事務所では、

・贈与税の非課税枠である110万円の贈与を始め、
・住宅取得資金の贈与や、
・教育資金、結婚子育て資金の贈与、
・生活費の贈与や、
・子供から親への贈与についても解説しておりますし、

 

これからも皆さんのお役に立てる様な、お得な贈与の情報を投稿して行きたいと思いますので、

 

「贈与は怖いから極力やらない様にしておこう」と思うのではなく、

正しい知識を身に付けて、正しい贈与を行って頂ければと思います。

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -
秋山 清成
相続のご相談なら、秋山税理士事務所へ。国税局・税務署で40年以上相続を取り扱ってきた税理士が、相続対策や節税方法、相続税申告、贈与税についてのご相談など親切丁寧にサポートいたします。SRS(相続リモートサービス)にて全国のお客様に対応しております。どうぞお気軽にご相談ください。