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相続税の税務調査が行われる日の一日スケジュールと相続人が気を付けておくべき行動!【国税OBが語る】

 
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秋山 清成
相続のご相談なら、秋山税理士事務所へ。国税局・税務署で40年以上相続を取り扱ってきた税理士が、相続対策や節税方法、相続税申告、贈与税についてのご相談など親切丁寧にサポートいたします。SRS(相続リモートサービス)にて全国のお客様に対応しております。どうぞお気軽にご相談ください。

私は約40年間、国税局・税務署で主に相続税を取り扱う資産課税部門で

税務調査を500件超行って来ました。

今日はそんな私の経験から、

 

相続税の申告をしてから相続税の税務調査がやってくるまでの期間

あなたの家に税務調査が入った日の一日の調査の流れと、

調査に入られた納税者の方は、当日はどの様なことに気を付けておけばいいのか、

これらについて、お話していきます。

 

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記事を読みたい方は、このまま下に読み進めて下さい。

 

 

①相続税の申告をしてから相続税の税務調査がやってくるまでの期間

 

まず相続税の申告書は、

ご家族に相続が発生した日から10ケ月以内に、

亡くなった方の住所地にある税務署に提出します。

そして、

その申告書の内容に誤り、(本来かかる税金よりも少なく申告していたなど)があった場合、

亡くなった方の自宅に税務調査官はやって来ます。

 

ですが、提出した申告書に誤りがあったからといって、直ぐに調査官がやって来るということはありません。

というのも税務署は、提出された申告書の内容を精査する為に、それなりの時間を費やしているからです。

そして、「この案件は申告漏れが有る」と想定すると、そこではじめて調査事案となります。

 

その後、税務署から「もしもし、相続税の調査に伺いたいんですが・・・」

と電話が入るのが、相続税の申告書を提出してから約1年半後くらいなんですね。

 

申告書を提出して1年半後くらいということは、大体相続が発生してから2年を過ぎたくらいですから、

それこそ税務調査というのは『相続人が忘れた頃』にやって来るんです。

 

そして掛かって来た電話で、税務調査が行われる日取りの調整を行い、後日あなたの自宅に税務調査官がやって来ます。

 

しかもその際、税務調査官側は

亡くなった方はもちろんの事、

相続人の銀行口座の入出金履歴や

親族間での資金の交流などを

徹底的に調べ上げてから乗り込んで来るんです。

 

ここまでが、

相続が発生し、

相続税の申告をしてから、

税務調査官がやってくるまでの流れです。

ここからは、実際に税務調査が行われる日の一日の流れをお話していきます。

 

②あなたの家に税務調査が入った日の一日の調査の流れ

 

まず、相続税の税務調査の場合、調査が開始されるのは午前10時頃になります。

その際にやって来る調査官は原則2名です。

 

調査官2人を応接間に案内すると、相続人であるあなた方、そして関与税理士との名刺交換をします。

相続人の方は、名刺を作っておられない事もありますので、その場合は「相続人の◯◯です」と名乗れば結構です。

 

ⅰ税務調査は雑談から始まります

さて名刺交換も終わり、

「いよいよ調査が始まるのか!?」

と思われるでしょうが、いきなり調査に入ることはありません。

 

先ずコーヒーなどを飲みながら雑談(世間話)をします。

さて、ここで皆さんに問題なんですが、調査官はなぜ調査に入る前に、わざわざ相続人の方と雑談をすると思いますか?

 

 

相続人の人となりを知る為でしょうか?

単純にその場を和ませる為でしょうか?

 

少し考えてみて下さい。

では答えです。

 

調査官がなぜ調査に入る前に、わざわざ相続人の方と雑談をするのかと言いますと、

〝相続人を和ませて、これから行う聞き取り調査をスムーズに運ぶため〟なんです。

 

普通の方は「相続税の税務調査を受けるのが初めて」という場合が殆どですから、

やはり皆さん物凄く緊張されています。

 

ですから、

「税務調査官ってそんなに怖い人じゃないですよ」

と思ってもらうために、優しく穏やかに話します。

 

ただ、

相続人の方が調査官に対して喧嘩腰の態度を示しましたら、

調査官は手のひらを返したように厳しく対応しますから、くれぐれもご注意下さい。

 

新人調査官の場合この呼吸が分からず、いきなり調査に入ったりする場合もあるんですが、

ベテラン調査官は調査がし易くなるように、相続人の気持ちを和ませてから調査に入ります。

 

ⅱいよいよ税務調査開始

 

一通りの雑談をしましたら、いよいよ調査開始です。

先ず、調査官は今日調査に来た理由を述べます。

ここでズバッと

『相続人Aさんの預金は、名義預金として疑わしいので来ました』

とは言ってきません。

 

『提出して頂いた、相続税の申告内容の確認に伺いました』

と定型文のような事を言うんですね。

 

そして調査官から、亡くなった方の経歴・趣味・病歴・死亡原因などを質問されます。

 

その際、多くの相続人の方は、

「亡くなったお父さんやお母さんの病歴や趣味なんか聞いて、一体何の意味があるの?」

という風に感じると思いますが、

実はもう既にこの時点から、調査官は伏線を張り巡らせているんです。

 

亡くなった方に関する質問が終われば、 次は相続人であるあなたや、あなたの家族について、現在の状況(年齢や住所地や勤務先など)を聞きます。

 

この税務調査における調査官の質問に関しては、以前の記事で解説しておりますので、是非ご覧になってみて下さい。

 

ⅲここから一気に税務調査が厳しくなります

で、ここからがいよいよ調査官にとっては本番のパートになります。

先ほど張り巡らせた伏線を一気に回収してくるんですね。

 

調査官は、自宅での調査の前に、

亡くなった方や、

あなたや他の相続人の方の情報をほぼ調べつくしていますから、

 

先ほどの質問の回答と、

調査官が持っている情報の齟齬を

一気に突いてくるんです

 

例えば、調査官から

「いつ頃から体調が悪かったんですか?」と言う質問を受けて

「半年前から意識が遠のいていました」と答えていましたら、

 

「先ほど、亡くなる半年前から意識が遠のいていたとおっしゃってましたけど、亡くなる3ヵ月前に、故人名義の口座から引き出した500万円は何に使ったんですか?」

と追及を受けたり、

 

「亡くなった方のご出身はどこですか?」と言う質問を受けて

例えば「鹿児島です」と回答をしていましたら

 

調査官は

「鹿児島に、先代名義のままの不動産があるんじゃないか?」

と解明に乗り出したりもします。

(※補足)
(遠方に先代名義の不動産がある場合、今回の申告に計上しなくてもバレないだろうという
財産未計上の可能性を調査官は疑う)

 

そもそも調査官は、この本丸の部分を狙って来ていますから、

外堀を埋めるように言葉巧みにあなたに質問をし、

それに対するあなたの回答を聞き取りながら、

言い逃れが出来ないようにしているんです。

 

聞こえは悪いですが、税務調査官は調査慣れしていない相続人の方の扱いなんて、赤子の手を捻るようなものなんですね。

 

ⅳ聞き取り調査の後は家の中を見て回ります

 

このような聞き取り調査が終わりますと、次は、

「家の中を見せて下さい」

という申し出があります。

 

その際、金庫などがありましたら、必ず中を見せることになります。

 

国税局の査察調査と違って、税務署の調査は任意調査ですから、

「金庫の中を見せて下さい」

と言われても拒否は出来るのですが・・・

 

〝拒否されるということは、調査官に見られたくないモノが入っている〟

ということですから、

 

『この相続人が提出した相続税の申告書の内容は、信用出来ない』

と調査官に疑念を持たれる事になります。

 

そうなりますと、その後の調査自体が厳しくなりますので、

 

拒否することなく

「どうぞどうぞ」

と見せた方が得策ですね。

 

この税務調査に対する相続人の方の心構えについても、以前の記事で話しておりますので、

是非ご覧になってみて下さい。

 

Ⅴ相続税の税務調査では必ず印鑑・通帳が調べられる

 

そして調査官が、亡くなった方の家を見て回る際、

印鑑や

預金通帳を保管している所も確認されます。

 

印鑑は、その印影だけではなくて、頻繁に使われているモノなのかどうかも確認されます。

 

先ず、白紙に朱肉を付けないで押しまして、

白紙に印影が付かなければ「近年使っていない印鑑」

白紙にうっすらと朱肉が付けば「近年使った事のある印鑑」

 

という訳ですね。

 

それから朱肉を付けて印影を取り、

誰が

何に使っている印鑑か

 

これらを聞いて、印影の横に記入します。

 

この行為の意味としましては、

確認の結果「近年使った事のある印鑑」だったとすると、ここ数年の間に、金融機関で何か手続きをした可能性がありますよね。

 

調査官は、

● 亡くなった方や相続人の方と取引のある金融機関に対して調査を行いますから、

相続人名義の定期預金の届出印鑑がこの「近年使った事のある印鑑」だったとすると、

「ここ数年の間に、満期時の手続きで使ったかも」という事で、

 

● 満期の日や

● 誰が継続の手続きをしたのか、

● 満期の時期に預金名義人は何処にいたのか

● 遠方に住んでいる名義人がこの日の手続きは可能なのか?

などと、名義預金解明の材料に使うんです。

 

さて、自宅で行う調査は概ねここまでになります。

● 相続人の方に対する質問と

● 家の中の確認

● 通帳や印鑑の確認など

こういった所ですね。

 

早ければお昼には自宅での調査が終了します。

 

確認事項がまだ残っていれば、

● 調査官は昼食のために一度外に出て、相続人の方はご自宅等でお昼を食べて、

● そして午後1時から調査の再開となります。

 

③相続税の税務調査の際は貸金庫にもご用心

 

例えば、亡くなった方が貸金庫を利用していた場合ですと、一通り聞き取り調査が終わった後に

「貸金庫に行きましょうか」という運びになります。

 

これは相続人の方が、調査官に対して「貸金庫があります」と伝えた訳ではなく、

調査官は事前に銀行調査を行っていて、

亡くなった方、配偶者、子供、孫など、

亡くなった方のみならず家族の預金の取引内容も入手していますから、

 

亡くなった方が貸金庫を使用していた場合、

その貸金庫の使用料が銀行口座から定期的に差し引かれていますので、

貸金庫の存在を知っているんです。

 

そして、貸金庫に行きますと調査官は「開閉状況」を確認します。

 

相続開始後に、亡くなった方の貸金庫を誰かが開けていますと、

その人は調査官から「何が入っていたのか」と追及を受けることになります。

 

また、相続人の1人が独断で開けていた場合などは、他の相続人から

「金目の物を懐に入れたのではないか?」

と疑われる事もありますので、貸金庫を開ける際は複数人で開けられた方がいいですね。

 

またその際には、カメラ等で

金庫を開閉した時の日時や

金庫を開ける際の様子を記録しておくと、

 

後々証拠として活用出来る可能性もありますので、覚えておいて下さい。

 

それと、調査官は貸金庫の中身に関して、金庫を開けた人を追及すると言いましたけど、

これも、1人の証言より複数の証言の方がベターです。

 

④税務調査は事前リハーサルで十分な対応が可能です!

 

さて、調査は一般的にはこのような流れとなっています。

 

どうでしょうか?

 

自分の身に置き換えてみると、いざ税務調査がやって来た際に、キチンとした受け答えが出来るか不安ですよね。

 

 

ですが安心して下さい!

 

この記事で私が一連の流れを説明して来ましたように、相続税の税務調査に関しましては、

細かい部分での違いはありますが、

大まかな流れというものは大体決まっています。

 

ということは、事前に顧問税理士さんと、税務調査に望む為のリハーサルを行うことが十分に可能なんです!

 

事前に、

どういったことが聞かれるのか、

どういう箇所を見られるのかということが分かっていれば、

 

当日もある程度余裕を持って税務調査に望むことが出来ます。

 

ですので、この記事を見られている皆さんは、相続が発生した際に、

「目の前の相続税の申告書だけを乗り越えれば良い」

と考えるのではなくて、

 

相続税の申告書を提出した2年後、

「今日見てきた様な税務調査が自分の元にもやってくるかもしれない

ということを見越して、

出来るだけ相続税に強い税理士さんに相続のご相談をされることをオススメします。

 

 

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秋山 清成
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